西鶴研究会(第四十六回)、浮世草子研究会の合同研究会(2018年3月26日(月) 午後2時より6時まで、青山学院大学 総合研究ビル)
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※申し込みは染谷智幸まで。
【西鶴研究会は、今回が青山学院大学での最後の会となります。また、浮世草子研究会も長年、青山学院を研究会場として参りました。これを記念いたしまして、お世話になりました青山学院大学文学部教授の篠原進氏にご講演をお願いすることといたしました。また合わせて、そのお礼の意味も込め、記念パーティを青山学院大学のアイビーホール青学会館「Filia」にて行ないます。】
日時 2018年3月26日(月) 午後2時より6時まで
場所 青山学院大学 総合研究ビル(当日、1Fに掲示を出しますのでお確かめください)
内容 研究発表、並びに質疑応答・討議、講演
発表題目および要旨
◆ 市場通笑黄表紙と西鶴
奈良女子大学大学院博士研究員 早川 由美
本年1月西鶴研究会編の『RE:STORY 井原西鶴』が上梓された。西鶴作品を元に「創作」された12編が並んでいる。「今」西鶴をどう読むかという問題とも関わってくるが、江戸時代の人々にとって西鶴作品はどう受け止められていたのだろうか。八文字屋を始めとする浮世草子には、西鶴の文章そのものをちりばめた作品も存在している他、草双紙『七小町』に『西鶴織留』の六の一「官女の移り気」が利用されていることなど、数点が知られてはいる。しかし、さらに後の時代に西鶴作品はどう読まれていたのかは、まだあまり明らかになっていないように思われる。
本発表では、『懐硯』を素材とする市場通笑〈元文2(1737)〜文化9(1812)〉の黄表紙『教訓蚊の呪(まじない)』〈天明元(1781)〉を取り上げ、その「創作」のあり方を検討してみたい。素材とされているのは、『西鶴が語る江戸のミステリー』に収録されている『懐硯』1の2「照を取る昼舟の中」で、題名の「蚊のまじない」とは「ばくち」のことである(『雑俳語辞典』)。
通笑は「橘雫」という俳号を持ち、江戸座二世祇徳門の歳旦帖に登場する。この一門には多くの大名俳人が名を連ね、当時の江戸文壇とも深く関わっている。また、初世祇徳は「俳諧古学」という理論を唱えた人物でもあり、田沼時代から寛政へと続く時代における「西鶴」の「創作」の一資料となると考える。なお、『蚊の呪』の本文は、早稲田の古典籍DB(冒頭1丁欠)で閲覧が可能なので、一度見ていただけると幸いである。
◆『RE:STORY 井原西鶴』のめざしたもの
愛知教育大学 有働 裕
本年1月に出版された『RE:STORY 井原西鶴』は何をめざしてのものだったのか。出版後の反響、執筆者のご意見等を踏まえて、今後の展開を考えたい。
◆ 講演 「目さむる夏の青み哉」― 団水2
青山学院大学 篠原 進