『地域歴史文化のまもりかた 災害時の救済方法とその考え方』全文公開サイト

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English

2024年3月29日公開

※本書(この記事)は CC BY-SA のもとで公開しています。
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9784867660430.jpg自然災害が多発する現代社会において宿命的な課題である、災害対策。
地域の歴史や文化はどうまもっていけばいいのか。
現場対応に生かせる書。

阪神・淡路大震災から東日本大震災を経て現在に至るまで、被災資料救済の対応に関わる救済技術の紹介やマニュアルが多数提示されてきたが、実は被災の状況は地理的状況や災害程度等によって大きく変容し、救済対象となる資料の状態も一様ではない。
本書はマニュアルにとどまらない、「考え方」に重点を置き、それぞれの「被災状況」に合った実践活動の手がかりを示す。

また資料をとりまく人と地域との関わりに注目し、救済から継承に至る経過のなかで実践を重ねるいくつかの取り組みを通して、社会のなかで活用される専門知のあり方についても考えることも課題とする。国際化に対応すべく、英語版も併載。
地域を主体とした被災資料の救済活動を広げていくために。

自治体、博物館、文書館、図書館、また地域資料の災害対策、保存・継承に興味のある方必携。
執筆は、天野真志/松下正和/日高真吾/大林賢太郎/山内利秋/阿部浩一/市沢 哲/英語監修:根本峻瑠。

【被災の状況は発生した時期や歴史的・地理的背景、災害規模・種類によって異なるし、活動主体の構成に応じて対象となる資料も多様である。災害対応は、特定の技法やマニュアルにとどまらない取り組みが重要であるが、その実践は決して容易ではない。本書を企画するにあたり執筆者間で議論を重ね、各章では方法論や実践事例の紹介に終始せず、それぞれの資料を救済するための考え方を提示することとした。資料を救い出し、当面の危機を脱する段階とはどのような状態なのか、その目的に向けた留意点とポイントを整理してさまざまな現場対応に参照してもらいたいという目的が本書の大きな目的である。】......「おわりに」より

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■書籍版の案内はこちら
天野真志・松下正和編
『地域歴史文化のまもりかた 災害時の救済方法とその考え方』(文学通信)
ISBN978-4-86766-043-0 C0021
A5判・並製・296頁・一部カラー
定価:本体1,800円(税別)

https://bungaku-report.com/books/ISBN978-4-86766-043-0.html

【目次】

ご挨拶[奥村 弘(神戸大学大学院)]
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はじめに[天野真志(国立歴史民俗博物館)]
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第1部 資料救済の前提

第1章 災害発生時における地域と資料[天野真志]
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はじめに/1.災害対策の経過/2.災害対策の実務と担い手/3.資料救済の目的と到達点/おわりに

第2章 資料救済に関わる人びと[松下正和(神戸大学)]
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はじめに/1.広域連携体制の整備状況/2.県内の整備体制/3.多様なセクターとのつながり/おわりに

第2部 資料救済・保存の考え方

第3章 紙資料の救済[天野真志]
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はじめに/1.被災紙資料の救出/2.状態の把握と一時保管/3.被災紙資料の応急処置/おわりに

第4章 写真資料の救済[松下正和]
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はじめに/1.写真資料の救出と一時保管/2.被災写真資料の処置/おわりに

第5章 民具の救済[日髙真吾(国立民族学博物館)]
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はじめに/1.被災民具の救出活動/2.一時保管と整理・記録/3.被災民具の応急処置/おわりに

第6章 美術資料の救済[大林賢太郎(京都芸術大学)]
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はじめに/1.日本の書画の素材構造/2.美術資料の被災/3.被災時の安定化処置/4.安定化処置事例(大船渡市C家の襖)/おわりに
[COLUMN]本格修理

第3部 資料救済への備え方

第7章 救出のシミュレーション:行動計画[山内利秋(九州保健福祉大学)]
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はじめに/1.災害に備えたシミュレーション/2.今後の展開

第8章 救済方法のシミュレーション:災害対策の実務を考える[天野真志]
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はじめに/1.目的/2.準備/3.実践/おわりに〜失敗を経験して検証する〜

第9章 地域とのコミュニケーション[阿部浩一(福島大学)]
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はじめに/1.ふくしま史料ネットの発足と直面した課題/2.ふくしま史料ネットの展開/3.市民ネットとしてのそうま歴史資料保存ネットワークの発足/おわりに

第10章 歴史資料保存活動と「専門知」[市沢 哲(神戸大学)]
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はじめに/1.専門知の現在/2.「生活」と専門知/3.歴史資料の保全活動が目指すもの/むすびにかえて

おわりに[松下正和・天野真志]
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執筆者一覧/List of Authors
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Foreword / OKUMURA Hiroshi (Graduate School of Humanities, Kobe University)
Download PDF Introduction / AMANO Masashi (National Museum of Japanese History)
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Part 1 Prerequisites for Materials Rescue

Chapter 1 Communities and Materials in the Event of a Disaster / AMANO Masashi
Download PDF Chapter 2 People Involved in Materials Rescue / MATSUSHITA Masakazu (Kobe University)
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Part 2 Approaches to Materials Rescue and Preservation

Chapter 3 Rescuing Paper Materials / AMANO Masashi
Download PDF Chapter 4 Rescuing Photographic Materials / MATSUSHITA Masakazu
Download PDF Chapter 5 Folk Implements Rescue / HIDAKA Shingo (National Museum of Ethnology)
Download PDF Chapter 6 Rescuing "Works of Art" / OHBAYASHI Kentaro (Kyoto University of the Arts)
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Part 3 Preparation for Materials Rescue

Chapter 7 Rescue Simulation: Action Plan / YAMAUCHI Toshiaki (Kyushu University of Health and Welfare)
Download PDF Chapter 8 Rescue Simulation: Disaster Preparation Practices / AMANO Masashi
Download PDF Chapter 9 Communicating with Local Communities / ABE Koichi (Fukushima University)
Download PDF Chapter 10 Specialized Knowledge and the Preservation of Historical Documents / ICHIZAWA Tetsu (Kobe University)
Download PDF Conclusion / MATSUSHITA Masakazu and AMANO Masashi
Download PDF List of Authors
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