錦 仁『百年前の野球交流 インディアナ大学vs早稲田大学』(文学通信)

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11月下旬刊行予定です。

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錦 仁『百年前の野球交流 インディアナ大学vs早稲田大学』(文学通信)
ISBN978-4-86766-024-9 C0020
A5判・並製・328頁
定価:本体2,800円(税別)


1922(大正11)年の春、早稲田大学が招待したインディアナ大学野球チームは、2勝8敗1引分けと大敗して帰国した。
海を渡り保存されていた870枚余りの写真と選手の日記をきっかけに、スコアシートには残らなかった日米大学野球交流の真実を、100年の時を超えて明らかにする。日米双方の資料を突き合せて野球交流の深部に下りていくと、両校とも共通の世界認識をもって野球交流を行なった事実が見えてくる。

第一次世界大戦が終り、平和な世界が来たかのように見えた。だが、日米開戦間近し、とささやく声が聞こえ始めていた。そういう時代に日米のヒューマニストたちは何を考え、いかなる行動をしたのか。かれらは野球に何かを期待した。野球を通して目指したものは何だったのか。そしてその期待は今日でも古くなってはいない。未発表の写真資料多数収録。渾身のスポーツ・ドキュメント。

【問題は多岐にわたる。本書の章立ては、インディアナ大学の動向を追いつつ、早稲田大学の動向を扱う章が入る、というように少し複雑にしてある。その途中に、エドモンソン教授とエドナ夫人の経歴を調べて、二人の生涯を見つめる。また、三年前にプロテスタントたちが東京で開催した「第八回世界日曜学校大会」について詳しく述べる。なぜなら、野球交流に関与した人々のなかに、この世界的な宗教フォーラムに関与した人々がいるからだ。早稲田大学の野球交流はキリスト教徒の企画とつながっているころがある。いったい、どういうことなのか。】......はじめにより





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【著者紹介】

錦 仁(にしき・ひとし)

昭和22年(1947)、山形県生まれ。
東北大学文学部文学研究科博士課程中途退学。
聖和学園短期大学助教授、秋田大学教育学部教授を経て、1996年、新潟大学人文学部教授、同現代社会文化研究科教授。2013年、名誉教授。博士(文学)。フェロー。

主要著書
『中世和歌の研究』(桜楓社)、『秋田県の民俗芸能』(秋田県教育委員会。井上隆明・齋藤壽胤・錦仁ほか編著)、『東北の地獄絵 死と再生』(三弥井書店)、『浮遊する小野小町 人はなぜモノガタリを生みだすのか』(笠間書院)、『小町伝説の誕生』(角川書店)、『金葉集/詞花集』(明治書院)、『なぜ和歌を詠むのか 菅江真澄の旅と地誌』(笠間書院)、『都市歴史博覧 都市文化のなりたち・しくみ・たのしみ』(笠間書院。白幡洋三郎、原田信男、錦仁編著)、『宣教使堀秀成 だれも書かなかった明治』(三弥井書店)、『歌合を読む 試みの和歌論』(花鳥社)など。

【目次】

はじめに

I 新資料 エドナ・コレクション

1 インディアナポリスのニックさん
2 エドナ・コレクションに出会う
3 エドナ・コレクションの概要と成り立ち
  アルバム二冊
  木箱とプラスチック箱
  そのほかの写真と資料

II インディアナ大学の日本人留学生

1 岡田猛熊
2 磯部房信
3 佐藤三郎

III コダックで撮った小さい写真と葉書大の「横浜写真」

1 小さい写真に何が写っているか
2 葉書大写真に何が写っているか
3 百年前の日本人
   アルバム以外の写真も含めて
4 写っている地域― 東北地方から広島まで
5 江南信國・玉村康三郎の「横浜写真」ほか・
6 モース・コレクションと同じ写真
7 写真のタイトル・説明文
8 写真の裏の説明文
9 新出の葉書大「横浜写真」
10 まとめ―肌身離さず

IV インディアナ大学チーム、日本へ遠征する

1 安部磯雄の招聘状、マネジメント
【コラム1】前年ブルーミントンの試合
 マネジメント
2 最初の試合ほか
【コラム2】招待券と選手のブロマイド
3 紳士のチーム、大敗して帰国
4 なぜ四月に来たのか
5 チームを結成するまで
6 トライアウト(実技試験)で選ぶ
7 単位履修
8 国際親善・戦争回避
9 列車でシアトルへ
10 試合日程と戦績
【コラム3】インディアナ大学チームの試合成績表
11 安部科長の教育方針
12 試合日程は来日後に
13 帰国の船に乗る

V エドナ夫人とエドモンソン教授

1 エドナ夫人の経歴
  特派員として
  初めて見る日本、人々との出会い
  なにゆえ日本へ
2 エドモンソン教授の経歴
  エドナ夫人との出会い
3 ハットフィールド家の歴史
  エドナ夫人の晩年
  エドナコレクションが筆者の手元にある理由

VI 列車の旅と船の旅、出会った人々

1 列車の旅
2 船の旅
  ジンバリスト
3 岡本米藏の貢献
  スティーブンス、プルースマン、ビゲロウ
4 四人の密航者―アーニー・パイルほか
5 船上の出来事
6 横浜入港

VII 同窓生、早稲田大学、歓迎会を催す

1 同窓生の歓迎会
  岡田猛熊のスピーチ
  エドモンソン教授のスピーチ
2 早稲田大学の歓迎会
  鹽澤昌貞学長のスピーチ
  高杉瀧藏教授のスピーチ
  エドモンソン教授のスピーチ
  レヴィス監督のスピーチ

VIII 安部磯雄とコールマン夫人

1 コールマン夫人との出会い
  大森安仁子の「有隣園」を訪ねる
  コールマンとその夫人
  「第八回世界日曜学校大会」まで
  澁澤榮一の信念
  コールマンを抜擢する
  大会の延期そして開催
  コールマンを評価
  安部磯雄のハワイ移民論
2 世界同胞主義
  コールマン夫妻の帰国
  コールマン夫妻をめぐる人々
  大森安仁子のアメリカ視察
  再び「世界同胞主義」
3 エドナ夫人と安部磯雄の出会い
  サンガー夫人
  マルサスの『人口論』

おわりに

【付録】〔全訳〕「日本野球旅行」(BASEBALL TRIP TO JAPAN)エドナ・ハットフィールド・エドモンソン

主な参考文献

Preface Baseball games in 1922 Japan, Indiana University and Waseda University