【連載】研究者の履歴書〜それぞれの⼤学院時代〜
大学・大学院に在学していて、研究職に興味はあるけれど、
大学院の選び方、研究者としてのキャリアの作り方などなど、
悩んだり、迷ったりすることも、多いのではないでしょうか。
大学院生の減少で、情報の共有・収集が困難になりつつある昨今。
先輩たちはどのように過ごしてきたのでしょうか?
この連載では、30〜40代の研究者をお招きして、
大学院に進学する前から、就職するまでのお話を
岡田貴憲さん、松本 大さんとうかがっていきます。
(全8回予定)
─────── 目次 ───────
◆第1回 山本嘉孝さん(国文学研究資料館研究部准教授)(2023.5.30公開)
・挫折──会社勤め、しかし7カ月で退社
・大学院に行きたい──しかしどの分野かわからない
・一生やってみたい、一生あっても時間が足りない
・研究室と大学院の雰囲気──開かれた場所
・他大学の授業にもお邪魔する
・日本近世文学会という学会のカラー
・大学院の指導──「注釈をやりたくないです」と最初は言っていたが......。
・「迷う」ということについて
・賞の受賞と、論文を書くということ、論ずることの苦しみ
・図書館の書庫の中で、体が軽くなる
・揖斐高先生の『江戸詩歌論』
・忘れ去られたものも含めて、捨てられてきたものも含めて受け止めたい
・研究のスタートは早いほうがいい?
◆第2回 舘野文昭さん(埼玉大学大学院人文社会科学研究科准教授)(2023.6.23公開)
・研究者を志したきっかけ──本で読める知識がすべてではないんだ
・大学院の選び方──外に出る積極的な理由はなかった
・藤原定家で卒論を書いたきっかけ
・大学院の指導──個別具体的な事柄で注意を受けたことはいくらでもある
・後から生きてきたこと──自分とは関係がない授業も出ておけば良かった
・研究が行き詰まったときは──自分の中のハードルを低くして乗り切る
・同年代の院生との出会いが刺激になった
・印象に残る一冊──川平ひとし先生『中世和歌テキスト論―定家へのまなざし』
・研究を続けるモチベーション──自分が最先端に立ったと感じることができる
・大学院に行こうか迷ってる方へ──楽観的じゃないと研究者になれない
・これから目指したいもの──点と点をつなげて一つの柱を打ち立てたい
─────── 聞き手 ───────
◆岡田貴憲(九州大学大学院人文科学研究院准教授)
1985年、北海道に生まれる。2008年、北海道大学文学部卒業。2014年、同大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。日本学術振興会特別研究員、国文学研究資料館研究部助教を経て現職。「『源氏物語』帚木巻試論―光源氏は「なよ竹」を折ったか―」(『中古文学』97号、2016年)にて第10回中古文学会賞受賞。著書に『『和泉式部日記』を越えて』(勉誠出版、2015年)などがある。
◆松本 大(関西大学大学院文学部准教授)
1983年、埼玉県に生まれる。2006年、東京学芸大学教育学部卒業。2010年、同大学院教育学研究科修士課程修了。2015年、大阪大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。奈良大学文学部を経て、現職にいたる。「『河海抄』巻九論―諸本系統の検討と注記増補の特徴―」(『中古文学』91号、2013年)にて、第7回中古文学会賞受賞。著書に『源氏物語古注釈書の研究―『河海抄』を中心とした中世源氏学の諸相―』(和泉書院、2018年)がある。
◆文学通信