井口 洋『西鶴解析』(文学通信)

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12月上旬刊行予定です。

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井口 洋『西鶴解析』(文学通信)
ISBN978-4-86766-013-3 C0095
四六判・上製函入・316頁
定価:本体6,000円(税別)


構造を解析して主題を闡明すること――。
『西鶴試論』(和泉書院、1991年)で途上であった、主題を析出する新しい読み方を提起する、井口西鶴論の続編。本書で井口西鶴論は完結となる。「作品のどこに感動すべきかを、明快に解き明かされて、その作品のそこに感動した。論文を読んで泣くなどということがあるとは、思いも寄らなかった。」(肥留川嘉子)。本書刊行準備中に急逝した著者を偲び、ゆかりの方々23名による追悼集を附載し、井口氏の研究、またその時代を鮮やかに映し出す。

[本書について]
著者の井口洋先生は、本書刊行準備中の令和五年二月二十六日、急逝されました。校正は三校まで進んでいました。赤字はまだ多く、刊行が危ぶまれましたが、肥留川嘉子氏(元京都光華女子大学教授)のご助力を仰げることになり、ここに無事に刊行することが出来ました。また本書にはご遺族の井口淳氏ほか、学会その他で先生と親交の深かった方々に追悼文をお寄せいただくことにしました。ご協力いただいた皆様に厚く御礼を申し上げます。生前の刊行が叶わなかったことが悔やまれてなりません。(文学通信編集部)





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【著者紹介】

井口 洋(いぐち・ひろし)

1942年、和歌山市生まれ。1965年、京都大学文学部国語学国文学専攻卒、1971年、同大学院文学研究科博士課程修了。1996年、『西鶴試論』で京都大学博士(文学)。帝塚山短期大学講師、奈良女子大学助教授、教授を経て、2006年、奈良女子大学名誉教授。2023年2月26日逝去。享年80歳。
著書に『近松世話浄瑠璃論』(和泉書院、1986年)、『近松への招待』(共著、岩波書店、1989年)『西鶴試論』(和泉書院、1991年)、『『奥の細道』の再構築』(文学通信、2021年)、編著書に『近松全集』全17巻(共編、岩波書店、1985~94年)、『新日本古典文学大系 近松浄瑠璃集 上・下』(共編、岩波書店、1995年)などがある。

【目次】

はしがき

引用西鶴作品の本文について

Ⅰ 案内しつてむかしの寝所
――『懐硯』一の四解析――

Ⅱ 水浴せは涙川
――『懐硯』三の一解析――

Ⅲ 天狗は家名の風車
――『日本永代蔵』二の四解析――
 
Ⅳ 安立町の隠れ家
――『万の文反古』二の二解析――
付・伝へまゐらせ候――谷脇さん追悼――

Ⅴ 西鶴も人情を道う(講演)
 一 文学は人情を道ふ
 二 しうと留めて申は(『西鶴諸国ばなし』三の三)
 三 歩行にて越中に下りぬ(『懐硯』一の二)

Ⅵ 近世文学における忠誠と私情(講座)
 一 瘊子はむかしの面影(『武家義理物語』一の二)
 二 毒薬は箱入りの命(『武道伝来記』一の二)
 三 式部に異見有り(『葉隠』)
 四 玉章は鱸に通はす(『男色大鑑』一の四)

『永代蔵』の戸口
――あとがきに代えて――

 

追悼

父の思い出(井口 淳)
先生、許していただけましょうか。(肥留川嘉子)
元禄文学研究の三冠王(森川 昭)
井口さんとの五十年(延広真治)
井口さんの傍らで(西田耕三)
井口さんの置土産(松原秀江)
追悼 井口洋 学兄(矢野公和)
「井口さん」の思い出(小川武彦)
井口洋兄を悼む(蜂矢真郷)
大兄との交遊(內田賢德)
「井口さんの思い出」(坂本信幸)
井口さんの私論文の以前と以後(廣瀬千紗子)
井口さんの学恩(山本登朗)
井口洋先生の御ことども(服部 仁)
傘の下で(宇城由文)
追悼 井口洋先生の西鶴論(中嶋 隆)
井口洋さんを偲ぶ(長島弘明)
うなじかたきもの(宗清和子)
井口先生をお偲びして(吉川仁子)
あしびきの大和から(飯倉洋一)
喰いついたら離さない井口先生(井上泰至)
井口洋先生を悼む(堀 勝博)
井口先生(川崎 勝)
井口先生のこと(久保瑞代)