地方史研究協議会編『だから地方史研究はやめられない』(文学通信)

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4月下旬の刊行予定です。

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地方史研究協議会編
『だから地方史研究はやめられない』(文学通信)
地方史はおもしろい07
ISBN978-4-86766-082-9 C0221
新書判・並製・272頁
定価:本体1,650円(税別)


現代社会のその先を作るために。日本の歩みを、記憶として、地域から残し伝え考えるための本。日本史ファン、研究者必携のシリーズ7冊目は、地域の現場で多様な資料と向き合いながら研究を進めることのおもしろさを、地方史研究の最前線にいる書き手が縦横無尽に語り尽くす。

第1部は「もう一つの世界から歴史を見る」では、視点や視線をかえることによって、新たな歴史的世界が立ち上がるさまを見つめ、第2部は「こんなところからも歴史が見えるぞ!」では史料はもちろん、金石文・史跡・伝承など、さまざまな地域資料に注目しながら歴史を読み解きます。第3部では「いったい何者だったのか⁉」と題し、多角的な視点で人物にアプローチ。第4部「それでもしたたかに生きていく」は、巨大な力に屈することなく、時にはそれを利用しながら生き抜いた人々の物語を明らかにしていきます。第5部の「かくして信仰はひろがった」は、信仰や祭りについて。第6部「これからのアーカイブズの話をしよう」は、地域資料を保存することの意義と実践を述べていきます。
地方から歴史を考えることに重きをおいた全20編。ぜひお楽しみください。

執筆は、山内譲、小林准士、松本洋幸、厚地淳司、栗原健一、若山浩章、兼平賢治、渡邊浩貴、桐生海正、髙木謙一、佐藤貴浩、三浦忠司、宮坂新、長谷川幸一、平井義人、山下真理子、須永敬、三野行徳、西向宏介、小幡尚の20名。

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【編者】

地方史研究協議会

地方史研究協議会は、各地の地方史研究者および研究団体相互間の連絡を密にし、日本史研究の基礎である地方史研究を推進することを目的とした学会です。1950年に発足し、現在会員数は1,400名余、会長・監事・評議員・委員・常任委員をもって委員会を構成し、会を運営しています。発足当初から、毎年一回、全国各地の研究会・研究者と密接な連絡のもとに大会を開催しています。また、1951年3月、会誌『地方史研究』第1号を発行し、現在も着実に刊行を続けています(年6冊、隔月刊)。

◆入会を希望される方は、事務局宛に下記URL内のフォーム、または郵送・FAXでお申込ができます。おって会費の振込用紙を送付いたします。
◆『地方史研究』の購読は、HPよりお申し込みください。

〒111-0032
東京都台東区浅草5-33-1-2F 
地方史研究協議会事務局
FAX 03-6802-4129
URL:http://chihoshi.jp/

【目次】

はじめに─本書のたのしみ方(地方史研究協議会会長 久保田昌希)

第1部 もう一つの世界から歴史を見る

海上警固のエキスパートの歴史的役割とは (対象地域:愛媛)
1 海の領主忽那氏の海城警固(山内 譲)
1 「海の領主」と「海城」/2 応仁の乱と久田子衆/3 海城警固のエキスパート

最重要資源の需要と供給 (対象地域:島根)
2 竹からみた江戸時代(小林准士)
1 竹薮の今昔/2 領主による竹藪の管理/3 武士たちの竹需要/4 建築用材としての需要/5 軍需の増大と竹不足の発生

戦争の最中に旅行を楽しむ人々 (対象地域:神奈川・静岡)
3 太平洋戦争下の箱根・熱海ツアー(松本洋幸)
1 高まるツーリズム/2 鶴見の町医者・渡辺歌郎/3 観光客で溢れかえる箱根/4 熱海で宿泊先探しに一苦労/5 戦時下の旅行ブームから考えられること

第2部 こんなところからも歴史がみえるぞ!

梵鐘に刻まれた南北朝史 (対象地域:静岡)
4 沼津市霊山寺の梵鐘銘文を読む(厚地淳司)
1 はじめに/2 霊山寺梵鐘銘文/3 用語解説―仏教用語を中心に―/4 現代語訳/5 解説/6 おわりに

驚きの裁判と、今に伝わる史跡・遺物・伝承 (対象地域:茨城)
5 慶長三年の常総国境争いをめぐる鉄火塚と鉄火棒
─伝説と史実の狭間─(栗原健一)

1 史跡鉄火塚と鉄火棒をめぐって/2 明治時代の飯泉五郎作編『関東三大堰ノ一沿革誌』/3 大正時代の『筑波郡案内記改訂増補』と『筑波郡郷土史』/4 敗者川口(川崎)播磨の子孫は続く

史料の森へと入り込むことで見えてくる戦乱の実態 (対象地域:長崎・熊本・宮崎)
6 「島原の乱」関係史料との出会い(若山浩章)
1 はじめに/2 史料の森の入口にたつ/3 史料の森に分け入る/4 さらなる森の深みへ/5 森のなかでの出会い/6 おわりに―史料の森の中で考えたこと

石が語る歴史に耳を傾けよう! (対象地域:岩手)
7 石碑と石材から地域の歴史を読み解く
─岩手県内の近世石碑と墓石から─(兼平賢治)

1 はじめに/2 三閉伊一揆の指導者と西国順礼塔/3 岩泉町の牛馬塔と塩の道/4 北上川舟運と石巻産井内石

第3部 いったい何者だったのか!?

東大寺お水取りを支えた、ある架空の領主の物語 (対象地域:奈良・三重)
8 道観長者とは何者か
─東大寺のお水取りと伊賀一ノ井松明講の伝説─(渡邊浩貴)

1 お水取りを支える伊賀一ノ井松明講/2 ゆらぐ道観長者伝説/3 紛争の記憶と道観長者のイメージ形成/4 道観長者伝説と一ノ井村の人々

「与兵衛は四人いた!」 (対象地域:神奈川)
9 墓石・系図・新出資料から読み解く漆仲買人(桐生海正)
1 はじめに―研究対象との出会い―/2 研究を深めることになったきっかけ/3 与兵衛家の墓/4 与兵衛のネットワーク/5 さらに深めるために/6 おわりに

史料から地域経済・自然環境を読む (対象地域:千葉)
10 牧士とは何者か(髙木謙一)
1 江戸時代の牧/2 牧を管理する役人/3 牧士とは何者か

第4部 それでもしたたかに生きていく

誰の目線で地方史をみるか (対象地域:福島)
11 伊達政宗を翻弄した大内定綱(佐藤貴浩)
1 大内定綱の売り込み/2 定綱の自信/3 多属的性格・南奧の導火線/おわりに

言いなりにならない百姓たちのしたたかさ (対象地域:青森・岩手)
12 庄屋「御用日記」から見た八戸藩の百姓一揆(三浦忠司)
1 八戸藩に稗三合一揆が起きる/2 藩の二一カ条願筋の沙汰とそれを書き留めた庄屋御用日記/3 御用日記に見える村百姓の願筋とそれに対する藩沙汰の箇条/4 まとめ 御用日記から読み取る村人の息づかい

活動から見える営業戦略・能力とプライド (対象地域:千葉)
13 地域をつなぐ商人の活動─館山町の他国出身商人─(宮坂 新)
1 江戸時代の館山町/2 他国出身商人の進出/3 有田屋佐七と新発田藩江戸屋敷

第5部 かくして信仰は広がった

永平寺に伝来していたもうひとつの肖像画 (対象地域:福井)
14 知られざる道元頂相─板行された頂相をめぐって─(長谷川幸一)
1 著名な道元頂相/2 『傘松日記』にみえる二幅の道元頂相/3 永平寺本とその開板/4 むすびにかえて

ザビエルの来豊経路は陸路だった! (対象地域:大分)
15 ザビエル来豊の経路と南蛮貿易港日出の姿(平井義人)
1 はじめに/2 ザビエル来豊にかかる二つの記録と近年の学説/3 ティセラの日本図/4 近世の絵図から考える別府湾の海底地形と日出港の意義/5 ロドリゲスの海路説/6 おわりに

ムラを訪れる高野聖と西国に旅をする人々 (対象地域:東京・和歌山)
16 高野山への信仰と参詣の旅路(山下真理子)
1 高野山信仰の広がり/2 檀那場を訪問する高野聖/3 高野山への旅/4 おわりに

祭りからみる修験霊山の神道化とその実態 (対象地域:福岡)
17 『神社日誌』から読み解く祭りの変遷
─英彦山神社神幸祭の事例から─(須永 敬)

1 はじめに/2 神社祭祀のなかの「官」と「私」/3 英彦山神社神幸祭と「古典復古」/4 新暦改定/5 観光・産業・戦争/6 戦後の神幸祭/7 おわりに

第6部 これからのアーカイブズの話をしよう

人も資料も移動する (対象地域:北海道・宮城)
18 武家の北海道移住とアーカイブズの移動
─亘理伊達家中村木孝英の近世・近代─(三野行徳)

1 明治維新と海を渡ったアーカイブズ/2 亘理伊達家中村木家と持ち込まれたアーカイブズ/3 村木孝英の近世・近代/4 移住者のアーカイブズを守っていくために

守られた企業史料から分かること (対象地域:兵庫)
19 在来木綿からタオルへ─加古川地方の産業史─(西向宏介)
1 倒産後に残された史料群―稲岡工業株式会社文書―/2 近世の木綿産地・加古川地方と姫路藩木綿専売制/3 外来綿による打撃と再生への模索/4 タオル製造業の展開と海外市場への輸出/5 日貨排斥と国内市場へのシフト/6 戦時統制下のタオル製造業/7 歴史資料を守ること

地域資料に見るアジア・太平洋戦争下の山村の暮らし (対象地域:高知)
20 高知の山奥までやってきた戦争
─高知県津野町口目ヶ市集落の『常会記録』を読む─(小幡 尚)

1 『常会記録 口目ヶ市部落』/2 高知地域資料保存ネットワークの活動/3 口目ヶ市部落会と常会/4 常会の議事/5 供出と配給/6 歴史資料の探索の必要性

あとがき(萩谷良太)

執筆者紹介
シリーズ刊行にあたって

【執筆者紹介】※執筆順

山内譲(やまうち・ゆずる)一九四八年生。松山大学元教授。主要業績『中世瀬戸内海地域史の研究』(法政大学出版局、一九九八年)

小林准士(こばやし・じゅんじ)一九六九年生。島根大学法文学部教授。主要業績『日本近世の宗教秩序―浄土真宗の宗旨をめぐる紛争―』(塙書房、二〇二二年)

松本洋幸(まつもと・ひろゆき)一九七一年生。大正大学文学部教授。主要業績『近代水道の政治史』(吉田書店、二〇二〇年)

厚地淳司(あつち・じゅんじ)一九六四年生。駒澤大学文学部非常勤講師。主要業績『近世後期宿駅運営と幕府代官―東海道三島宿改革仕法を中心に―』(岩田書院、二〇二三年)

栗原健一(くりばら・けんいち)一九七一年生。立正大学文学部専任講師。主要業績「幕末維新期における庶民日記とその記主」(『立正大学人文科学研究所年報』六〇号、二〇二三年)

若山浩章(わかやま・こうしょう)一九五八年生。延岡市史近世部会委員。主要業績『宮崎県史 通史編 中世』(共著、一九九八年)

兼平賢治(かねひら・けんじ)一九七七年生。東北学院大学文学部教授。主要業績『近世武家社会の形成と展開』(吉川弘文館、二〇二〇年)

渡邊浩貴(わたなべ・ひろき)一九八八年生。神奈川県立歴史博物館学芸部学芸員。主要業績特別展示図録『仮面絢爛―中世音楽と芸能があらわす世界―』(神奈川県立歴史博物館、二〇二四年)

桐生海正(きりゅう・かいせい)一九九〇年生。神奈川県立足柄高等学校教諭。主要業績「近世後期小田原藩領の山間村落と漆液流通統制の展開 ―韮山代官所による内探を手がかりに―」(『関東近世史研究』第八六号、二〇二〇年)

髙木謙一(たかぎ・けんいち)一九八一年生。東京都公文書館史料編さん担当。主要業績「近世後期佐倉牧周辺における御林の管理と百姓林の利用」(『関東近世史研究』第九〇号、二〇二二年)

佐藤貴浩(さとう・たかひろ)一九八三年生。足立区地域のちから推進部生涯学習支援室地域文化課文化財係学芸員。主要業績『「奥州の竜」伊達政宗』(KADOKAWA、二〇二二年)

三浦忠司(みうら・ただし)一九四八年生。八戸歴史研究会会長、安藤昌益資料館館長。主要業績『城下町南部八戸の歴史』(伊吉書院、二〇一九年)
宮坂新(みやさか・あらた)一九七八年生。館山市立博物館学芸係長。主要業績「近世後期館山湾における漁業争論と領主支配―安政期出し網一件を事例として―」(『千葉史学』第八〇号、二〇二二年)

長谷川幸一(はせがわ・ゆきかず)一九八一年生。大本山永平寺学術事業推進室主任調査研究員。主要業績『永平寺史料全書』文書編三巻(大本山永平寺、二〇一八年)

平井義人(ひらい・よしと)一九五五年生。大分県日出町歴史資料館・帆足萬里記念館館長。主要業績「地域災害史の検証と必要となる史料の姿」(国文学研究資料館編『社会変容と民間アーカイブズ』勉誠出版、二〇一七年)

山下真理子(やました・まりこ)一九八七年生。世田谷区政策経営部政策企画課区史編さん担当資料調査員。主要業績「世田谷地域における高野山信仰の展開」(『区史研究 世田谷』第四号、二〇二四年)

須永敬(すなが・たかし)一九七二年生。九州産業大学国際文化学部教授。主要業績「北部九州における修験霊山の神道化と教派神道」(『九州産業大学国際文化 学部紀要』七九号、二〇二二年)

三野行徳(みの・ゆきのり)一九七三年生。昭和女子大学大学院 生活文化研究専攻 専任講師。主要業績「明治維新と武家の北海道移住―有珠郡における新たな共同体形成―」(『旅の文化研究所研究報告』(二三号)、旅の文化研究所、 二〇一三年)

西向宏介(にしむかい・こうすけ)一九六五年生。広島県立文書館総括研究員。主要業績「地域史料所在調査と自治体文書館の役割」(国文学研究資料館編『社会変容と民間アーカイブズ』勉誠出版、二〇一七年)

小幡尚(おばた・ひさし)一九六八年生。高知大学教育研究部人文社会科学系教授。主要業績「高知県中山村と日露戦争―地域の対応と帰還した兵士の動向―」(『高知人文社会科学研究』第七号、二〇二〇年)