「コミュニケーションの未来を創る」(全10巻)特設サイト

本シリーズのめざすもの....................................
コミュニケーション共生社会実現にむけて
友だちや家族との会話、仕事のメール、店員との短いやりとり、見知らぬ人とのチャット、病院での問診......あなたは普段どのように他者とコミュニケーションをとっていますか? 本シリーズはそのコミュニケーションを深堀りしていくものです。
視覚障害や聴覚障害、自閉症など、それぞれにコミュニケーションにおける多種多様な障害や弱い点、不便さを抱えている人がいます。海外に移住し言葉が通じないなど、自分のいる環境が変わったせいで弱い点が生まれることもあります。
これらは「コミュニケーションの障害」や「コミュニケーション弱者」と呼ばれたりしますが、そのような特性によって、自分の思うように情報を得たり発信したりすることができず、社会への参加が難しい場合があります。
一人ひとり、異なった特性をもっているにもかかわらず、「障害者」や「弱者」とひとくくりになってしまうことが多く、その存在も埋もれがちになってしまうことが今の社会にはあります。
そのために、わたしたちは「コミュニケーション共生科学の創成」というプロジェクトを発足させました。本シリーズは、このプロジェクトで得られた新しいコミュニケーションの課題をひろく発信し、みなさんと共有し、ともに考えていこうとするものです。
私たちと一緒にコミュニケーションについて、考えてみませんか。
編集委員....................................
菊澤律子(きくさわりつこ)
国立民族学博物館人類基礎理論研究部・教授。研究分野は歴史言語学、言語情報学。主な仕事に『しゃべるヒト 言葉の不思議を科学する』(共編、文理閣、2023年)など。
小磯花絵(こいそはなえ)
国立国語研究所研究系・教授。研究分野はコーパス言語学。主な仕事に「コーパスを用いて日常のことばの特徴を調べてみよう」(『ことばの波止場』vol.11、https://kotobaken.jp/digest/11/d-11-05/)など。
朝日祥之(あさひよしゆき)
国立国語研究所研究系・教授。研究分野は社会言語学、言語接触。主な仕事に『言語コミュニケーションの多様性』(共編、くろしお出版、2022年)など。
最新刊....................................
菊澤律子・小磯花絵・朝日祥之
『やさしい社会をみんなで創るために コミュニケーション共生科学への誘い』
(コミュニケーションの未来を創る 第1巻)(文学通信)
ISBN978-4-86766-101-7 C0080
A5判・並製・96頁・カバー装
定価:本体1,300円(税別)
全10巻構成・今後のラインナップ....................................
2025年7月刊行スタート、2・5・8・11月の年4回刊行
2025年07月...1巻 ISBN978-4-86766-101-7
2025年11月...2巻 ISBN978-4-86766-102-4
2025年02月...3巻 ISBN978-4-86766-103-1
2026年05月...4巻 ISBN978-4-86766-104-8
2026年08月...5巻 ISBN978-4-86766-105-5
2026年11月...6巻 ISBN978-4-86766-106-2
2026年02月...7巻 ISBN978-4-86766-107-9
2027年05月...8巻 ISBN978-4-86766-108-6
2027年08月...9巻 ISBN978-4-86766-109-3
2027年11月...10巻 ISBN978-4-86766-110-9
今後のラインナップ
・知っているようで知らない識字率
・さまざまなコミュニケーション特性と「飛行機に乗る」
・手話翻訳の世界
・チンパンジーのコミュニケーションとヒトの言語
・情報保障マニュアル
・難聴者のコミュニケーション など
コミュニケーション共生科学の創成公式ウェブサイト....................................
https://scom.languagescience.jp/
関連書籍....................................
「コミュニケーション共生科学の創成」プロジェクトの関連書籍をご紹介いたします。
石原和・菊澤律子[編著]
『手話が「発音」できなくなる時 言語機能障害からみる話者と社会』(ひつじ書房、2022年)
手話は、身体で「話す」言語である。しかし、交通事故でそれが「話せなくなる」とどうなるのか? 当事者、言語学や法律を扱う研究者の視点から、手話と社会との関係を考える。
菊澤律子・吉岡乾[編著]
『しゃべるヒト ことばの不思議を科学する』(文理閣、2023年)
言語は世界に約7000あるといわれている。音声言語と手話言語を含めた「ことば」の世界について、さまざまな科学の成果を新しい視点で紹介。言語を理解することは他者への理解にもつながっていく。
広瀬浩二郎・相良啓子
『「よく見る人」と「よく聴く人」 共生のためのコミュニケーション手法』(岩波ジュニア新書、2023年)
目の見えない研究者と耳が聞こえない研究者の対話。人はそれぞれ違って当たり前、様々な手法で世界とつながる二人の経験から、コミュニケーションの可能性を一緒に探る。
広瀬浩二郎
『ユニバーサル・ミュージアムへのいざない 思考と実践のフィールドから』(三元社、2023年)
近年のミュージアムでは「目で見る」施設から、「全身の感覚でみる」体験の場への転換になり得る試みがなされるようになった。単なる障害者支援ではない「ユニバーサル」から、触感豊かな共生社会の未来が想像できる。
相良啓子
『日本手話の歴史的研究 系統関係にある台湾手話、韓国手話の数詞、親族表現との比較から』(ひつじ書房、2024年)
数詞と親族表現に焦点を当て、音韻・形態・意味の観点から日本手話・韓国手話・台湾手話の語彙変化の特徴をまとめる。詳しい実態が知られていなかった三つの言語の文献資料やデータを収集した初の研究書。