早稲田大学 総合人文科学研究センター 国際シンポジウム【東アジアと世界の「君の名は。」】(2018年1月20日(土) 、早稲田大学 戸山キャンパス 33号館6階 第11会議室)
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https://www.waseda.jp/flas/rilas/news/2018/01/10/4237/
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主催:私立大学戦略的研究基盤形成支援事業 第2グループ
「ポストコロニアル時代の人文学、その再構築―21世紀の展開に向けて」
日本現代中国学会関東支部
共催:早稲田大学文学学術院総合人文科学研究センター 研究部門「東アジアの人文知」
早稲田大学中国現代文化研究所
日時:2018年1月20日(土)
場所:早稲田大学 戸山キャンパス 33号館6階 第11会議室
使用言語:日本語(通訳有り)
※参加は無料です。
【趣旨
2016年に日本で最も影響力のあった映画はアニメだった。「この世界の片隅に」がキネマ旬報ベストテン第1位に輝き、「君の名は。」は映画興行収入第1位、いずれも若者だけでなく中高年を含めた視聴者に広く支持された。特に「君の名は。」のブームは日本国内に止まらず、中国や台湾でも大きな反響を呼び、広範な視聴者の人気を呼んだ。
しかし、アメリカやヨーロッパで「君の名は。」が話題になることはなかった。また、観客の反応も東アジアとずいぶん異なっていた。友人によれば、あまりにロマンティックなのだという。
周知のように、1990年代以降、日本のマンガ・アニメ・ゲーム・ライトノベルなどがアジアの若者に広く受け入れられ、サブカルチャーを中心に東アジア諸都市の若者文化には共通した現象がみられるようになっている。
ストーリーや内容からキャラクターへという、テクストの享受の仕方の変化がその一つだ。ニューメディアの登場によって、作品を、どのように分割することも組み合わせることも可能な、モジュールの複合体として捉え、データベース化することができるようになったことが、それを支えている。
また、インターネットやIT技術の発達によって、多くの愛好者が創作に参与するようになり、制作者と享受者の区別がなくなりつつある。こうした現象とともに、読者・視聴者が作品に求めるものも、人間や社会の真実に触れることから仲間とのコミュニケーションへと変化した。言い換えれば、読者・視聴者と作品の関係が変化したのである。しかも、こうした現象は、東アジアのみならず、世界的に共通してみられるものになっている。それは近代文化の誕生以来の、文学・芸術をめぐる大きな文化的変容といって過言ではない。
だが、「君の名は。」の受容に見られるアジアと欧米の差は、こうした文化変容がそれほど単純なプロセスではないことを物語っている。世界各地で起こっている文化変容は、果たしてどのような姿をしているのだろうか。
そうした疑問に切り込むため、中国・台湾・カナダ・フランスでの反応をつぶさに見てきた方々を招き、それぞれの地域において「君の名は。」がどのように受容されたのか、その共通点と差異を糸口に、今日の文化変容について縦横に語り合っていただくことにした。
それが東アジアならびに世界的に進む文化変容の内実を、少しでもより鮮明に浮かび上がらせることに繋がれば、これに勝る喜びはない。】
プログラム
13:00-13:30 開会の辞、趣旨説明(早稲田大学・千野拓政)
13:30-14:30 周志強(中国・南開大学)通訳を含む
「物語から歴史を救う----『君の名は。』における"事件"のアレゴリー」
《从故事中拯救历史---"你的名字。"之"事件"寓言》
14:30-15:30 陳国偉(台湾・中興大学)通訳を含む
「災害共同体の記憶と忘却:台湾における『君の名は。』」
災難共同體的記憶與忘卻:《你的名字》在台灣
15:30-15:45 ティーブレイク
15:45-16:15 ワダ・マルシアーノ(カナダ・カールトン大学)
「北アメリカにおける『君の名は。』受容状況」
16:15-16:45 藤本一勇(早稲田大学)
「二つの『世界/セカイ』の狭間----『君の名は。』と『この世界の片隅に』」
16:45-17:00 ティーブレイク
17:00-18:30 パネルディスカッション(司会:千野拓政)
18:30-18:35 閉会の辞(千野拓政)