日中対照言語学会2020年1月例会(2020年1月11日(土)、大東文化会館 K-404)
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日時
2020年1月11日(土)17:00~19:00
場所
大東文化会館 K-404
発表者
呉雨(國學院大學・院生)
テーマ
国会会議録における副詞の使用実態
要旨
近年、コーパスを用いた言語研究が盛んになるのに伴い、国立国語研究所に開発された現代日本語書き言葉均衡コーパス、全文検索システム『ひまわり』のような言語資源によって、2001年公開された国会会議録は、より効率的に利用できる言語資料になった。
本稿では、『ひまわり』による国会会議録のデータを調査資料として、国会会議のような公的場面での発話に使用される副詞の状況を考察する。
様態副詞のバリエーションは豊富であり、テンス・アスペクトの副詞の使用される回数が最も多いのである。文体的特徴の視点から見ると、国会会議録における副詞は話し言葉と書き言葉の中間的性格を持っている。例えば、「しっかり」「もう」のような話し言葉的な副詞、「極めて」「より」「既に」のような書き言葉的な副詞、「全く」「なぜ」「特に」のような話し言葉と書き言葉の中間性を持つ副詞が使用されている。
また、国会会議録では「直ちに」は当為表現「べきだ」と共起し、「決して」「到底」「断じて」は「許してはならない」のような「不許可」表現と共起する傾向が見られた。