国文学研究資料館編『徹底討議5万字!語りつくす文体史のゆくえ 『文体史零年 文例集が映す近代文学のスタイル』出版記念座談会』(文学通信)
12月下旬刊行です。

国文学研究資料館編『徹底討議5万字!語りつくす文体史のゆくえ
『文体史零年 文例集が映す近代文学のスタイル』出版記念座談会』(文学通信)
ISBN978-4-86766-094-2 C0095
A5判・並製・66頁
定価:本体500円(税別)
書き手の態度や依拠文法ごとの区分として捉えられてきた「文体」は、実証的かつ具体的な分析概念として鍛えなおされ、「文体」によるあらたな文学の研究方法がうちたてられようとしている。(多田蔵人)
『文体史零年 文例集が映す近代文学のスタイル』(令和7年3月31日、文学通信)の出版準備がととのいつつあった令和6年10月13日に、国文学研究資料館共同研究室にて行われた討議の記録。
『文体史零年』は、幕末から戦後にかけてさまざまなジャンルで大量に発行された「文例集」――模範文集や語彙集、アンソロジーにいたるまでを広くこう呼んでいる――を手がかりとして、近代文学の「スタイル」を把握しようとする論文集であった。
「徹底討議」の語は見栄や看板ではない。
討論は13時から18時まで、ほとんど休憩なしに行われた。『文体史零年』所収論文と同書所収の文例集カタログ「文範百選」の執筆を終えた時点での討議であるため、文体史の稜線のようなものは、本書の方がかえって見えやすくなっているかもしれない。あちこちに見える意見の衝突や対立も、それ自体が出発を告げた学問のわかわかしいエネルギーの証である。お手にとった方にはぜひとも自分なりの「異議」を育てていただき、さらに『文体史零年』本冊をもご覧いただきたいと思う。
参加者(※所属は2024年10月時点)。北川扶生子(関西学院大学)、倉田容子(駒澤大学)、杉山雄大(二松学舎大学ほか)、谷川恵一(国文学研究資料館名誉教授)、馬場美佳(筑波大学)、堀下翔(筑波大学)、栗原悠(国文学研究資料館)、多田蔵人(国文学研究資料館)誌上参加者=合山林太郎(慶應義塾大学)、湯本優希(日本体育大学桜華中学校・高等学校、立教大学日本学研究所研究員)。
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【編者紹介】
国文学研究資料館
国内各地の日本文学とその関連資料を大規模に集積し、日本文学をはじめとするさまざまな分野の研究者の利用に供するとともに、それらに基づく先進的な共同研究を推進する日本文学の基盤的な総合研究機関。創設以来50年にわたって培ってきた資料研究の蓄積を活かし、国内外の研究機関・研究者と連携し、日本の古典籍及び近代文献を豊かな知的資源として活用する、分野を横断した研究の創出に取り組んでいる。
https://www.nijl.ac.jp
【執筆者】
参加者(※所属は2024年10月時点)
北川扶生子(関西学院大学)、倉田容子(駒澤大学)、杉山雄大(二松学舎大学ほか)、谷川恵一(国文学研究資料館名誉教授)、馬場美佳(筑波大学)、堀下翔(筑波大学)、栗原悠(国文学研究資料館)、多田蔵人(国文学研究資料館)誌上参加者=合山林太郎(慶應義塾大学)、湯本優希(日本体育大学桜華中学校・高等学校、立教大学日本学研究所研究員)
【目次】
序言
Ⅰ まずは研究紹介から
前口上―共同研究の経緯/尾崎紅葉と「文範」/写生文と美文―描かれた空間を脱色する/歌語を浸透させる「詞寄」/表現の辞書としての需要/複数の〈文〉と「同胞姉妹に告ぐ」/教育と文例/思想と表現のズレをどう読むか/素人と玄人の力学
Ⅱ 討議1
文範・文例集の明治
「文範」か「文例」か?/言文一致のスピードと軍人向け文例集/明治後期~、素人っぽさへの志向/読者コミュニティの捉えかた/「作品」と文の複数性/『自然と人生』というジャンル
Ⅲ 討議2
文体はどこへ行くのか?
詩歌の流派と文体/詩論とルールと実作/模倣と均質な声の登場/女性向け文例集/言葉の平準化/文例集的文学の再登場


































































