野山広・朝日祥之・横山詔一・竹本直也『日本の識字率はほんとうに高いのか? 「当たり前」を問い直すために』[コミュニケーションの未来を創る 第2巻](文学通信)
2月下旬刊行予定です。

野山広・朝日祥之・横山詔一・竹本直也『日本の識字率はほんとうに高いのか? 「当たり前」を問い直すために』[コミュニケーションの未来を創る 第2巻](文学通信)
ISBN978-4-86766-102-4 C0080
A5判・並製・96頁・カバー装
定価:本体1,300円(税別)
日本人の識字率は世界トップレベル?
「日本人は読み書きができる民族」という自己認識は、実は1948年、戦後間もない時期に行われた、日本で唯一の全国的な識字調査で、「非識字率は約2%」という数値で報じられたことによります。ですが実はそれ以来、同規模の識字調査は一度も実施されていません。
現代では実はどうなのでしょうか。
そもそも「識字」とは何なのか。日本に住む人たちの識字の実態を把握するには、いつ・どこで・誰が・誰を対象に・どのように調査をすればよいのか。
日本語が母語ではない人や、視覚障害・聴覚障害をもつ人、義務教育の学びの機会をもたなかった人など、社会の中で見えにくい立場にある人々の言語使用の実態は、どう把握すればいいのか。
誰もが使う文字。誰もが「読める・書ける」ことを前提として生活している社会。しかし、その「当たり前」が本当に全員にとって当たり前なのか。
多様な日本語使用者がいる現在の日本。その日本で「リテラシー」をどう考えるのか。基本となる書です。
[本シリーズについて]
現在の社会では、言語だけではなく、さまざまな特性によりコミュニケーションがとりづらい人たちがいます。
みんながストレスなく生活していくだけでなく、すべてのひとに力を発揮してもらえる社会にするために、いまどんな課題があり、それをどうやって解決していけばよいのでしょうか?
それを考えるのが新しい学問分野「コミュニケーション共生科学」です。
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【著者紹介】
野山 広(のやまひろし)
国立国語研究所研究系・准教授。研究分野は社会言語学、日本語教育学、基礎教育保障学等。主な業績として『地域での日本語活動を考える―多文化社会葛飾からの発信』(共編、ココ出版、2022年)、『外国人住民への言語サービス―地域社会・自治体は多言語社会をどう迎えるか』(共編、明石書店、2007年)など。
朝日祥之(あさひよしゆき)
国立国語研究所研究系・教授。研究分野は社会言語学、言語接触。主な仕事に『言語コミュニケーションの多様性』(共編、くろしお出版、2022年)など。
横山詔一(よこやましょういち)
国立国語研究所研究系・名誉教授。研究分野は社会言語心理学。主な仕事に横山詔一・石川慎一郎・井田浩之・相澤正夫「日本語学術論文の即時オープンアクセス実現に向けて」(『国立国語研究所論集』29、2025年、https://doi.org/10.15084/0002000510)など。
竹本直也(たけもとなおや)
国立民族学博物館人類基礎理論研究部、東京湾岸リハビリテーション病院・研究員。研究分野は失語症学、リハビリテーション医学。主な仕事に原惠子・竹本直也「ことばが使えないとき 言語障害と失語症」 (菊澤律子・吉岡乾編『しゃべるヒトーことばの不思議を科学する』2025年、文理閣)など。
【シリーズ編者紹介】
菊澤律子(きくさわりつこ)
国立民族学博物館人類基礎理論研究部・教授。研究分野は歴史言語学、言語情報学。主な仕事に『しゃべるヒト 言葉の不思議を科学する』(共編、文理閣、2023年)など。
小磯花絵(こいそはなえ)
国立国語研究所研究系・教授。研究分野はコーパス言語学。主な仕事に「コーパスを用いて日常のことばの特徴を調べてみよう」(『ことばの波止場』vol.11、https://kotobaken.jp/digest/11/d-11-05/)など。
朝日祥之(あさひよしゆき)
国立国語研究所研究系・教授。研究分野は社会言語学、言語接触。主な仕事に『言語コミュニケーションの多様性』(共編、くろしお出版、2022年)など。
【目次】
はじめに──「当たり前」を問い直すために(小磯花絵・朝日祥之)
日本人の識字率は世界トップレベル?
誰もが「読める・書ける」は当たり前か?
1948年の識字調査を「解いて」みると
共生社会への一歩
第1部 「日本人の識字率は高い」は共同幻想?
──約80年ぶりの識字調査への挑戦と課題(野山 広)
1 自分の識字率を測ってみたい──夜間中学生徒の要望
2 日本では全国識字調査は一度しか行われていない
3 1948年の識字調査で出された問題とその方法
4 世界の識字調査に目を向けてみると
5 新しい識字調査の問題をどう作るのか
6 多様な日本語使用者がいる現在の日本
7 どのように調査を実施するのか
8 調査後のサポート方法
9 みんなに調査を受けてもらうために
10 識字調査を行う意義──現在の日本で「リテラシー」をどう考えるのか
11 質疑応答
Q1 識字「率」はどうやって出すのか?
Q2 脳は漢字のほうが覚えやすい?
Q3 読み書き以外の能力を見る必要はないのか?
Q4 識字調査は日本語だけでいいのか?
Q5 ろう者の識字の実態は?
Q6 技術と人はどのように発展できるのか?
第2部 これまでとこれからの日本の識字を考えるために
コラム① 1948年の識字調査の結果はどう分析されたのか(朝日祥之)
1 平均点は高いのにリテラシーが悲観的に評価されたのはなぜ?
2 調査で見られた8つの能力から、結果に差が出た理由を分析する
3 日常の言語生活で活字に接しているかが結果の分かれ目
コラム② 日本人の読み書き能力にAIは興味・関心をもつか(横山詔一)
1 はじめに
2 AIは自己の「生活」をどのように語るか
3 日本語リテラシーとAIの関心
4 読み書き能力における「誇り」とAIの自己理解
5 現代におけるリテラシー概念の広がり──東京大学入学式式辞より
6 生成AIと共生する言語生活のあした
コラム③ 脳の損傷は読み書きにどのような影響をあたえるのか(竹本直也)
1 はじめに
2 文字の種類や仕組みは言語によって異なる
3 読み書きとは多くの段階を経て成功する複雑な活動
4 脳損傷によってどのような読み書きの障害が起きるのか
4.1 漢字と仮名と脳
4.2 認知症の読み書き障害
4.3 平仮名・片仮名と脳
4.4 タイピングの障害
5 おわりに──時代とともに変化する読み書きの問題
コミュニケーションの未来を創る シリーズのご案内
コミュニケーション共生科学の創成 公式ウェブサイトのご案内
サポートメンバーによる編集後記(桂融・白川憩・文学通信編集部)











































































