岡野裕行『文学散歩の研究』(文学通信)
2月上旬刊行予定です。

岡野裕行『文学散歩の研究』(文学通信)
ISBN978-4-86766-124-6 C0091
四六判・並製・342頁
定価:本体2,400円(税別)
文学を主題としてまちをめぐり歩く、文学散歩。
私たちは文学散歩で何を見に行くのだろう。
文学散歩は現在、各地域の文学愛好団体や郷土史研究会などが市民向けイベントとして開催したり、各自治体の公共図書館が文学を主題としてまちをめぐり歩くワークショップとして企画したり、あるいは小中高等学校の国語科の授業や学校図書館や、大学教育の一環としても行われている。
これらはどう生まれ、どう変貌してきたのか。
また、これからどうなっていくのか。
それらを考えることは、私たちが文学散歩というフィルターを通して、それぞれの地域社会をどのように見てきたのかという視線を明らかにすることにもつながっていく。
「文学散歩」は「歩く」だけではなく、実は「語る」力も生み出す。
これからの地域社会をどう考え、世界をどう言葉で表現していくのか。
私たちは文学散歩という活動を通して、過去から託されてきた「言葉」をどう受け取り、未来につなぐのか。
これから「文学散歩」を企画するすべての人、必読!
自治体、公共図書館、中高図書館、大学文学部必携書です。
【私たちには自分の暮らすまちについて語る言葉を紡ぎだす力がある。それは言葉というもの、文学というものが私たちに与えてくれる力の一つである。言葉はまちのなかに自分の痕跡を残す力である。言い換えればそれは「詩」を書く行為と呼ぶにふさわしいものである。あるいは「詩」という表現形式には特にこだわらずに、自分自身のまちでの暮らし思いを綴った散文形式の文章もそれに含まれるだろう。まちの言葉はみんなの言葉である。まちに暮らす私たちは、誰もが各々の生きている時代における詩人の一人である。】...第6章「言葉を残す「文学散歩」」より
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【著者紹介】
岡野裕行(おかの・ひろゆき)
1977年、茨城県生まれ。図書館情報大学、同大学大学院博士前期課程を経て、2006年に筑波大学大学院図書館情報メディア研究科図書館情報メディア専攻博士後期課程修了。博士(学術)。現在、皇學館大学文学部国文学科准教授(図書館司書課程担当)。専門分野は図書館情報学と日本近現代文学。主な研究テーマは文学館、文学散歩、文学アーカイブ、ウィキペディアタウン、学生協働、読書文化、ビブリオバトルなど。
ビブリオバトル普及委員会代表理事(2015〜2021年)、一般社団法人ビブリオバトル協会副代表理事(2016〜2024年)、伊勢河崎一箱古本市実行委員会(2015年〜現在)、NPO法人知的資源イニシアティブ理事(2019年〜現在)などを務める。
主要著作──『三浦綾子書誌』(勉誠出版、2003年)、『三浦綾子 人と文学』(勉誠出版、2005年)、『文学館出版物内容総覧 ─図録・目録・紀要・復刻・館報─』(日外アソシエーツ、2013年)、『ライブラリー・オブ・ザ・イヤー選考委員長の日記 二〇二二年』(散策舎、2024年)など。
【目次】
凡例
序章
1 文学的な痕跡とは何か
作家の暮らしの痕跡
まちのなかの文学
文学的な痕跡をたどる活動
変化していくイメージ
2 「文学散歩」を再定義する
より広く捉えるために
六つの種類
3 本書の構成
第1章 日本における「文学散歩」の発達史
1 実践し始める野田宇太郎
2 「文学散歩」の誕生とその評価
どのように生まれたか
文学的な痕跡のアーカイブ
古典とは背に廻った未来である
模倣され上書きされる
3 紀行文学として書き記した野田
4 「私」が除かれる案内記
観光を目的とした形態へ
無味乾燥な案内記
公共財化する「文学散歩」
5 市民に開かれた百科事典の編集
観光と図書館、そしてウィキペディア
「文学情報」をウィキペディアに
6 歩く、書く、語る
書くための「文学散歩」
語るための「文学散歩」
7 「私」の出来事を「私たち」の物語へ
第2章 図書館サービスとしての「文学散歩」
1 実施主体としての図書館
2 図書館の集会活動「読書会」「研究会」
3 「文学散歩本」の出版史
考案以前の一九四〇年代後半
草創期の一九五〇年代
展開期の一九六〇年代
安定期の一九七〇年代
転換期の一九八〇年代
情報共有と開催支援をする一九九〇年代
地域資料を活用する二〇〇〇年代
ウェブ時代の二〇一〇年代
4 時代ごとの特徴と出版傾向
第3章 「文学散歩」を拡張する人々
1 普通名詞になる「文学散歩」
野田の手を離れていく
それでもイメージは確立していく
賛同者たちの活動
2 野田宇太郎の理念を継承する「文学散歩友の会」
模倣による洗練化
図書館サービスとの結びつき
文学碑の意味を問う
対象領域の拡張
3 学校教育のなかの「文学散歩」
都道府県レベルの国語教育研究会の取り組み
仙台市教育委員会による手引き
4 文化事業としての「文学散歩」
改訂される『上毛文学散歩』
何度も刊行される『軽井沢文学散歩』
自治体でシリーズをつくる
5 観光協会による「文学散歩本」
6 連載記事としての「文学散歩」
朝日新聞社と木原直彦の『北海道文学散歩』
7 「文学選集」への転用
比喩的な表現として名づけられる
「文学散歩」から「文学館」へ
第4章 日本郷土文藝叢書刊行会と復刻本出版の試み
1 地域限定の復刻本の出版と図書館の資料収集
2 野田宇太郎が展開する出版事業
日本郷土文藝叢書刊行会による復刻本
延長線上の復刻本
3 日本における復刻本と復刻雑誌の出版
日本近代文学館による復刻本の出版
日本近代文学研究所と日本近代文学館による復刻雑誌出版
日本近代文学館と野田の活動
4 各図書館における復刻本の所蔵状況
復刻本の作品別所蔵図書館
復刻本の図書館別所蔵作品数
復刻本の都道府県別所蔵図書館数
国立国会図書館における復刻本の所蔵状況
5 文学的な痕跡の可視化
6 もう一つの復刻活動「芽起庵」
第5章 「文学散歩」という着想
1 「文学散歩」を始める
2 思想の背景にいる鷗外・杢太郎・荷風
「文学散歩」で何を見るのか
「文学散歩」は何のために行うのか
「文学散歩」をどのように行うか
3 史上初の「文学散歩」の領域
『新東京文学散歩』収録の索引の検討
4 日が落ちるまで
5 点と点がつながる/線と線が混じりあう
第6章 言葉を残す「文学散歩」
1 まちの言葉はみんなの言葉
2 私の言葉を残す公共財としての日記
3 世界を言葉におきかえる
あとがき
巻末図表
野田宇太郎と図書館および文学館による「文学散歩本」の出版史と文学散歩関連の出来事(第2章【図3】)
野田宇太郎の取り組みと日本近代文学館による復刻本の出版事業との比較(第4章【図2】)






































































