和歌山県立近代美術館:コレクション展2023夏秋特集「本のために―大家利夫の仕事」(2023年8月11日(金)~9月24日(日))

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展覧会情報です。

●公式サイトはこちら
https://www.momaw.jp/exhibit/2023col_summerautumn/

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※詳細は上記サイトをご確認ください。


大家利夫は1949年、東京に生まれました。15歳の頃から限定本の世界に惹かれるようになり、18歳の時、 オペラ歌手 藤原義江を訪ねて同氏の著作『きりすとの涙』の個人出版を実現させたのが本作りの始まりでした。その後、1970年に渡仏し、1971年から1974年にかけてフランス国立エスティエンヌ印刷工芸高等学院で、フランスの伝統工芸である箔押と手工製本(ルリュール)、工業製本全般を学びます。在学中からフリーの箔押師として仕事を始め、製本工芸の名品を生み出したことで知られるジベール・バレ・デザイン事務所やデルモン・デュバル工房で働いて研鑽を積みました。1974年、帰国して大家利夫美術装丁工房を設立。1984年にはあらたに指月社(しげつしゃ)を設立し、詩人や翻訳者、研究者、そして柄澤齊、スザンヌ・トライス ター、山本容子、渡辺和雄、森村泰昌、O Junといった美術家やデザイナーたちの良き理解者・協力者として伴走しつつ、内容、材料、印刷、製本、頒布のすべてに心血を注ぐ、世界でもほかに類をみない個人出版社となりました。その完成度を極めた仕事は高く評価され、2012年にはロサンゼルス・カウンティ美術館で個展が開催されています。日本の工芸への造詣を深め、あたかも茶碗を手にした時のようなふっくらとした手触りも、大家作品の特色といえるでしょう。本のために、挑戦を続けて完成された、作品としての本がそこにあります。

また今年2月から4月にかけて開催した「とびたつとき 池田満寿夫とデモクラートの作家」展において、1950年代から60年代にかけての彼らの作品を紹介したのに続き、池田満寿夫の1960年代から80年代の作品を広島市現代美術館の協力により特集します。


会期 2023年08月11日(金)~2023年09月24日(日)
観覧料 一般350円