第20回藝術学関連学会連合シンポジウム「文明化と藝術」(2026年7月25日(土)13:00〜18:00、早稲田大学 戸山キャンパス38号館AV教室+ウェビナー)※要申し込み

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研究会情報です。

●公式サイトはこちら
https://geiren.org/symposium/20-2/
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※詳細は上記サイトをご確認ください。


2026年7月25日(土)13:00ー18:00

於:早稲田大学 (戸山キャンパス・38号館AV教室
対面とオンライン配信(ウェビナー:URLは参加登録者に後送)にて実施。

主催:藝術学関連学会連合
共催:早稲田大学美術史学会


【開催趣旨】
文明化と藝術――制度と文化、そして人間的経験の厚み

近代以降の芸術研究は、「創造性」「作品の自律性」「芸術制度」という枠組みのもとで発展してきた。その結果、美術館や劇場、作品という枠組みの成立、またそれらを分析対象とする学問制度の整備は、芸術を社会の中に位置づけ、その歴史や構造を明らかにする上で大きな成果をもたらしてきた。一方で、芸術には、こうした制度や分析枠組みだけでは捉えきれない次元のあることが、芸術制度の研究あるいは研究制度の反省的自覚を介して、理解されてきた。

芸術は本来、人間の感性や身体、記憶に直接働きかけ、人生や共同体の時間経験をかたちづくって文化の厚みを支えてきた。たとえば、祭りの太鼓の響き、結婚式の儀礼、地域に伝わる歌や踊り、あるいは小説や映画の一場面――こうした経験を通して、私たちは他者の痛みや喜び、別離や死別を象徴的に体験し、限られた個人の経験を越えて、人間としての根源的な経験に触れてきた。芸術は、制度以前の共同体の深部に根ざす営みであり、個人と社会の「魂の耕作」として働いてきたのである。

文明化は、法や制度、科学技術の発展といった外的な合理化の過程として理解されがちである。しかし同時に、文明化には、技や作法の継承、儀礼や祭礼における時間の組み立て、身体に刻み込まれた所作や感情のかたち、語り継がれる物語といった、目に見えにくい文化の層が長い時間をかけて形成されていく側面がある。芸術は、そうした文化の厚みが凝縮され、感覚的に経験される場でもあり、媒介でもあった。こうした文化的経験の層は、象徴的な形象や空間を通しても立ち上がる。たとえば芸術は、「場所」や「風景」と結びつくことで経験に固有の深度を与える。海辺の映画の一場面、舞台上の仮設の家屋、祭礼の夜の光景、絵画に描かれた夕暮れ――それらは、私たち自身の記憶や原体験と重なり合い、現実の感じ方そのものを形づくっている。芸術を通して経験された風景は、後に現実の風景を見るときの感情や意味づけに影響を与え、逆に現実の体験が芸術作品の理解を深めることもある。原体験と文化的イメージは相互に浸透し、現実の感じ方そのものを形づくっている。

芸術には、文化を支えあるいは越える文化的生命の水脈に触れる瞬間が宿り、人間性と文化の根源とも発露ともなっている。 現代社会では、芸術を支える制度は整備され、文化イベントや芸術祭も数多く開催されている。しかしその一方で、芸術が個人のレベルでも共同体の次元でも、人間の生の深部とどのようにつながっているのかは、必ずしも自明ではなくなっている。

いま求められているのは、芸術を制度の枠内に閉じ込めることでも、感性を理性の下位に置くことでもなく、芸術が人間の喜びや嘆き、祈りや喪失といった根源的経験と、どのように関わってきたのかを、あらためて問い直す視点である。

本シンポジウムは、芸術研究の成果を踏まえつつ、制度の背後にある文化的経験の厚みと、人間的経験の深部に目を向けることを目的とする。芸術を、文明化の内的側面を支える営みとして捉え直すための、分野横断的な対話の場としたい。

プログラム
13:00-13:10 開会の辞:貫 成人(藝術学関連学会連合会長|舞踊学会)
13:10-13:25 シンポジウム趣旨説明:青木孝夫(広島芸術学会)

【第1パネル:場・身体・経験】
13:30-14:35(65分)
司会:山本聡美(美術史学会)

・桑原夏子(美術史学会)
「死と再生――洞窟聖所における聖母表象」

・萱のり子(書学書道史学会)
「筆の痕跡・生の経験」

・二宮望(美学会)
「寄る辺なき魂に宿る永遠のインディアン――人類学に接近するA.ヴァールブルクの文化学」

【休憩】14:35-14:45

【第2パネル:制度・権力・藝術】
14:45-15:50(65分)
司会:沼野雄司(音楽学会)

・井谷善惠(意匠学会)
「1910年の日英博覧会における日英の文明化と藝術について」

・小林敦子(比較舞踊学会)
「日本における近代化による民俗舞踊の創出」

・井口淳子(日本音楽学会)
「劇場の光と影――上海ライシャム劇場と帝国劇場」

【休憩】15:50-16:00

【第3パネル:現代・実践・思想】
16:00-17:05(65分)
司会:青木孝夫(広島芸術学会)

・工藤孔梨子(日本デザイン学会)
「DX時代に求められる医療現場での『人間的経験の厚み』の教育」

・阪本洋三(舞踊学会)
「上演藝術と民主主義、そして資本主義」

・本橋哲也(日本演劇学会)
「ポストヒューマン時代における演劇の役割」

【全体討議・総括】17:05-17:50

17:50-18:00 閉会の辞:小菅隼人(藝術学関連学会連合副会長|日本演劇学会)

【20周年記念懇親会】

18:30〜19:00頃開始
20:00〜20:30頃終了予定

藝術学関連学会連合
20周年記念シンポジウム 実行委員会

青木孝夫(広島芸術学会)
沼野雄司(音楽学会)
山本聡美(美術史学会)