古代文学会6月例会(第797回)(2026年6月6日(土)午後2時~5時、大東会館K-401,402教室+Zoom)※Zoom参加は要申し込み
研究会情報です。
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https://kodaibungakukai.sakura.ne.jp/wp/kenkyuuhappyoukai/reikai
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※詳細は上記サイトをご確認ください。
ハイブリッド開催といたします。
日時:6月6日(土)午後2時~5時 (例会終了後、委員会を開きます)
※Zoom開始時刻は発表開始の15分前となっています。
【対面】
会場:大東会館K-401,402教室
東武練馬(大東文化大学前)駅北口、東口下車徒歩3分
発表者:長 見菜子 氏
題目:記号としての〈氏族〉―〈引用される〉氏族伝承とテクストにおける意味の再生成―
要旨:『古事記』の成立が〈諸家の齎した帝紀・本辞の撰録・討竅〉と不可分であることは序文に明らかであり、帝紀や本辞を諸氏族の保持する墓記や家伝、及び〈氏族伝承〉の一種と見做すことは可能だろう。
これらの外部テクストは、ジュリア・クリステヴァが提唱した「間テクスト性」の問題と大きく関連する。「どのようなテクストもさまざまな引用のモザイクとして形成され、テクストはすべて、もうひとつの別なテクストの吸収と変形にほかならない」(『セメイオチケ』)とするクリステヴァの主張に鑑みると、『古事記』は氏族伝承を始めとする様々なテクストの〈引用〉によって構成されたテクストであると換言できる。
氏族伝承は本来的に奉事や服属の由縁を語るものであるが、『古事記』というテクストの中でテクスト間対話が行われることで、新たな意味が生成される。本発表では、検討の対象として仁徳記・清寧記に〈引用〉された山部連に関する所伝に着目する。『古事記』に〈引用〉された所伝に関連する話は、仁徳紀四十年(是歳)条と顕宗即位前紀・顕宗紀元年四月条にも見えるが、『日本書紀』の関連所伝が具体的な人名や褒賞・賜姓起源を記し、一族の権威や服属の経緯を語る氏族伝承の本来的な意義を孕んでいると捉えることができる一方で、『古事記』の所伝は対象者を〈山部大楯連〉と〈山部連小楯〉という対の名前で表象しており、重要な指標であるはずの氏族名を朧化・抽象化している。
従来の研究はこの相違の所以を原資料における差異に求めていたが、本発表では『古事記』に通底するイデオロギーや関連所伝との対話を通した意味生成の表れと見做し考察する。『古事記』における〈山部連〉という氏族名は、〈異界性〉を表す一種の〈記号〉としてコード化されたものであり、『古事記』編纂の主目的である〈王権の支配理念・皇位継承の正統性〉を保証するための一ファクターとして機能していると推察する。氏族伝承を『古事記』のイデオロギーと結びつき〈引用〉された〈外部テクスト〉として捉え、『古事記』独自の〈引用法〉と構造の解析を試みたい。
(司会:津田博幸 氏)
※なお、発表資料及び要旨の著作権は発表者に帰属します。


















































































