東京大学ヒューマニティーズセンター(HMC):オープンセミナー第108回 解読・公家列影図──血筋・才能・個性と鎌倉時代のキャラクターデザイン(3月25日(月)17:30〜19:30、オンライン開催)※要申し込み
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●公式サイトはこちら
https://hmc.u-tokyo.ac.jp/ja/open-seminar/2024/108-facial-expressions-kuge/
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※詳細は上記サイトをご確認ください。
発表者:
石井 悠加(四国大学文学部 講師)
司会・ディスカッサント:
永井 久美子(東京大学大学院総合文化研究科 准教授)
ディスカッサント
髙岸 輝(東京大学大学院人文社会系研究科 教授)
黒田 智(早稲田大学社会科学総合学術院 教授)
上田 竜平(京都大学 人と社会の未来研究院 助教)
概要
「公家列影図」(京都国立博物館蔵)は、12世紀後半から13世紀前半の大臣経験者の男性たちを、初任時の年齢で、初任時順に描いた肖像絵巻です。絵師は奥書によれば後鳥羽院・後堀河院の時代に活躍した「似絵」の名手・藤原信実とされますが、実際には彼に連なる「絵師の家」に蓄積された下絵や模本を参考に、後嵯峨院の時代に制作されたと考えられています。
端正な顔、ユニークな顔、生真面目な顔や気弱な顔、怒った顔、笑った顔。描かれた57人一人ひとりの表情や姿は、まるで直接スケッチしたように巧みで個性的です。どう描き分けているのか?なぜ制作されたのか?これまでさまざまな観点から考察がされてきました。
今回、彼らの系図や逸話、詩歌管絃の事跡などについて調べたところ、彼らの「顔」に込められた意図を考えるヒントが浮かび上がってきました。「天皇摂関御影」(徳川美術館蔵、鎌倉時代末)や「天子摂関御影」(皇居三の丸尚蔵館蔵、南北朝時代)など、「似絵」の時代への先駆けとなった「公家列影図」の豊かな「顔」の表現の特徴について解読していきます。