東アジア恠異学会第121回定例研究会(2019年1月13日(日)13時より、コープイン京都・中会議室(四条))
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東アジア恠異学会第121回定例研究会
日時:2019年1月13日(日)13時より
場所:コープイン京都・中会議室(四条)
○「天地と怪異」
ー木場貴俊氏(国際日本文化研究センタープロジェクト研究員)
【要旨】
英語natureに該当する言葉を近世日本に求めるならば、まず「天地」が思い当たる。
では、「天地」と怪異(あやしい物事)の関係はどう捉えられていたのだろうか?
天地の道理によって起きる・生じる物事なのか、それとも「超自然」な物事なのか?
本報告では、この問いについて複数の事例を取り上げることで考察を行ってみたい。
○「幕末・明治維新期の「怪異」について--『孝明天皇紀』及び『明治天皇紀』を手がかりとして--」
ー江坂正太氏(同志社大学大学院博士後期課程)
【要旨】
2001年に発足した東アジア恠異学会においては、これまでに多くの「怪異」に関連する報告が行われ、研究の蓄積がなされて来た。 しかしながら、改めてその内容を検討してみると、近代の研究蓄積は未だ不十分であると言わざるをえない。特に幕末・明治維新期 における「怪異」に関する研究蓄積は手薄であり、東アジア恠異学会における1つの「死角」になっている趣さえある。
本報告ではその様な状況に鑑み、幕末・明治維新期の「怪異」の在り方に関して考察を加える手がかりとするために、 宮内省先帝御事蹟取調掛編『孝明天皇紀』(宮内庁、1906年、但し使用するのは覆刊版(平安神宮、1967年-1981年)とする) 及び宮内庁編『明治天皇紀』(吉川弘文館、1968年-1977年)を素材として検討を行う事とする。検討年代は、『孝明天皇紀』 の始まる天保2年(1832)6月から『明治天皇紀 第四』の終る1879年(明治12)12月までとし、この期間内に『孝明天皇紀』 及び『明治天皇紀』に記された「怪異」に関連すると考えられる記事の抽出を行い、あわせて、いくつかのトピックに関して 検討も行いたいと考えている。
上記の手続きを踏まえる事で、幕末・明治維新期においても、国家(あるいは国家祭祀)と「怪異」との関係性が未だに残存し、 あるていど機能していた様子を僅かなりとも浮き上がらせる事ができると考えている。