西村 雪野『「沈黙」が語る古事記 (新典社研究叢書 388)』(新典社)
西村 雪野氏より頂きました。
「意図的な沈黙」を駆使して天皇家のための世界を創出した古事記。天皇の身体の不老性、境界の曖昧な連続体として描かれる異類、母への崇敬と兄妹婚の表現分析を通して、古事記独自の戦略に迫る。
西村 雪野(にしむら ゆきの)
1996年3月 東京大学文学部言語文化学科日本語日本文学専修課程卒業
2023年3月 二松学舎大学大学院文学研究科国文学専攻博士後期課程修了
専攻(学位) 日本上代文学(博士)
【目次】
凡 例
序章 『古事記』の「沈黙」を聞く
第一節 はじめに
第二節 『古事記』の背景と本書の姿勢
第三節 本書で取り上げる内容と構成
第四節 本書における考察方法
第Ⅰ部 家族―すべては「母」から生まれる
第一章 『古事記』の同母兄妹婚―禁忌意識の考察
第一節 はじめに
第二節 允恭記・安康記の同母兄妹婚
第三節 『古事記』に描かれる近親婚
第四節 『古事記』の「妹(いも)」
第五節 おわりに
第二章 カグツチ殺し―母子婚禁忌と『古事記』の家族
第一節 はじめに
第二節 『古事記』の「火神被殺譚」の異常性
第三節 「子捨て」譚に見られる記紀の親子観の違い
第四節 『古事記』の「母」
第五節 おわりに
第三章 偉大なる母―「御祖(みおや)」の力
第一節 はじめに
第二節 『古事記』の「御祖」
第三節 「御祖」についての先行研究
第四節 『古事記』における「御祖」と元明女帝との関係
第五節 おわりに
第Ⅱ部 異類―あらゆる力を世界にとりこむ
第四章 『古事記』の動物観―「馬婚・牛婚・鶏婚・犬婚之罪」とはなにか
第一節 はじめに
第二節 「馬婚・牛婚・鶏婚・犬婚之罪類」についての問題点と先行研究
第三節 「馬・牛・鶏・犬」の意味するもの
第四節 「四種の動物」と肉食及び動物供犠との関係
第五節 『古事記』が「書かないこと」
第六節 おわりに
第五章 『古事記』の異族観―言葉との関係からの考察
第一節 はじめに
第二節 『古事記』の異族記事
第三節 『古事記』の「言向」
第四節 『古事記』の「言向」対象と「言語相互了解」の可能性
第五節 おわりに
第六章 『古事記』の植物観―「草木」たちの沈黙
第一節 はじめに
第二節 上代文献における「草木言語」
第三節 『古事記』の「さやぐ」草木
第四節 『古事記』独自の「草木」観
第五節 おわりに
第七章 『常陸国風土記』の表現の特異性―「まつろはぬ者」をめぐって
第一節 はじめに
第二節 『常陸国風土記』における「まつろはぬ者」の名称をめぐる特異性
第三節 『常陸国風土記』茨城郡条と「まつろはぬ者」をめぐる地名の特異性
第四節 『常陸国風土記』における地名と「まつろはぬ者」の関係
第五節 おわりに
第Ⅲ部 死―神の血脈をうけつぐ身体
第八章 変容する霊魂観―『日本霊異記』中巻二十五縁からの考察
第一節 はじめに
第二節 問題の所在
第三節 『日本霊異記』における霊魂
第四節 古代の霊魂観
第五節 おわりに
第九章 『古事記』の「天皇不老」論―雄略記赤猪子譚からの考察
第一節 はじめに
第二節 『古事記』雄略天皇と赤猪子の婚姻不能譚
第三節 『古事記』における天皇の身体
第四節 神の如き「若々しい雄略天皇」像
第五節 おわりに
第十章 天皇の「不死」の放棄―邇邇芸命婚姻譚からの考察
第一節 はじめに
第二節 記紀における「天皇の死の起源譚」
第三節 『古事記』の時間と死の起源譚
第四節 『古事記』における「不死」の放棄が持つ意味
第五節 おわりに
第十一章 「一道」攷―天皇の死の不可逆性について
第一節 はじめに
第二節 「仲哀記」の「向一道」
第三節 『古事記』における「天皇の死」
第四節 『古事記』における「殯」及び「蘇生」の不可能性
第五節 『古事記』における死の不可逆性と皇統の継承
第六節 おわりに
終章 『古事記』は、響き続ける
第一節 はじめに
第二節 本書の内容
第三節 本書の結論と今後の課題
所収論文初出一覧
後書き
索引
英文要旨
















































































