古代文学会月例研究発表会(例会)(2026年3月7日(土)午後2時~5時、大東文化会館K-404 +Zoom)※Zoom参加は要申し込み
研究会情報です。
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https://kodaibungakukai.sakura.ne.jp/wp/kenkyuuhappyoukai/reikai
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※詳細は上記サイトをご確認ください。
ハイブリッド開催といたします。
日時:3月7日(土)午後2時~5時 (例会終了後、委員会を開きます)
※Zoom開始時刻は発表開始の15分前となっています。
【対面】
会場:大東文化会館 K-404
東武東上線・東武練馬(大東文化大学前)駅北口、東口下車徒歩3分
発表者:南 穂 氏
題目:『更級日記』「かしまみて」歌考--再出仕記事における同僚の女房の存在に着目して--
要旨:『更級日記』には、菅原孝標女三十四歳の年、橘俊通との結婚を経て、再び祐子内親王家に出仕した際の記述(以下「再出仕記事」)がある。再出仕記事では、時雨の夜の語らいから始まる、三度に渡るある男(源資通)との邂逅が描かれ、三度目の邂逅の場面、すなわち時雨の夜の語らいからおよそ一年後の春には、男の来訪を知った孝標女が、同僚の女房と共に出迎えようとしたものの、逢うことが叶わず終わってしまったことが記される。
その終焉に際して詠まれた一首「かしまみて鳴門の浦にこがれ出づる心は得きや磯のあま人」(以下、当該歌)について、定説では、上句を「人目をぬって戸口まで焦がれ出た」と解し、男を出迎えようとした孝標女の詠作だと理解されている。一方で、『日記』には孝標女たち女房が、出仕する自らを「磯のあま」に喩えた贈答歌があることなどを理由に、男が「磯のあま人」である孝標女に詠んだ歌である、とも論じられている(佐藤和喜「更級日記歌の再検討」)。しかし、詠者の決定に関する明確な論拠を示したものは見られないといえよう。
本発表では、男との邂逅の場に、必ず同僚の女房の存在があることに着目して、「同僚の女房」という視座から当該歌の新しい解釈を提示する。男と孝標女の関係の始まりである時雨の夜の語らいにも、同僚の女房の存在があった。そこから始まった関係の終焉に際し、孝標女は「同じ心」をもつ同僚の女房に対して「心は得きや磯のあま人」----同じ心をもつあなたなら、私の心はお分かりでしょうか、と心の内に詠みかけたのではないか。
歌や地の文で描かれる同僚の女房との関係は、従来の「物語に出てくるような貴公子との恋的邂逅の場面」という見方では見落とされてきた。再出仕記事に一貫して語られる、同僚の女房との関係に着目することで、『更級日記』における「女房」の問題、及びテクスト全体を捉え返すための足掛かりになると考える。
(司会:津田 博幸 氏)
※なお、発表資料及び要旨の著作権は発表者に帰属します。













































































