人文学の正午研究会 » workshop 近代ギリシャ文学と〈東/西〉の克服 福田耕佑『ニコス・カザンザキス研究』(松籟社、2024年)をめぐって(2025年10月25日(土)13:30〜17:30、奈良カレッジズ交流テラス(奈良女子大学東側敷地内)/オンライン(Zoom))

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研究会情報です。

●公式サイトはこちら
https://www.fragment-group.com/shogo/workshop
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※詳細は上記サイトをご確認ください。申し込みも上記より。

【近代ギリシャを代表する文学者ニコス・カザンザキス(1883-1957)の本格的な研究が昨秋、出版されました。このノーベル賞作家の代表作は映画『その男ゾルバ』などに翻案され、近年は多くの翻訳を通じて日本語圏でも愛読者を獲得しつつあります。

福田耕佑氏の『ニコス・カザンザキス研究』は、高度な文献学的な成果としてのみならず、人文学全体に対して重要な課題を打ち出した野心作としても注目すべき一冊です。近代ギリシャの知識人たちは、19世紀の独立以来、複数の〈過去〉(ポリス、ビザンツ帝国、オスマン帝国、内戦...)に向き合うことで自らの〈文学〉を実践してきました。20世紀の「国民作家」カザンザキスは、ユーラシア大陸全土への長い旅路と、国境を越えた執筆活動のなかで、自分たちが葛藤してきた「東方/西洋」の揺らぎを照らし出します。本書が描くのは、「西欧文明の祖」としての自己矛盾を暴き、また「栄光の古代」に隠された歴史的古層に取り組み(Scandalizing "Greece")、新たな〈ギリシャ〉の創造に賭けた詩人の軌跡です。

このワークショップでは、本書のもつ広い射程を活かしながら、〈東/西〉の克服というトピックについて、様々な地域・分野で活躍される専門家とともに議論を深めていきます。多くの方々の参加をお待ちしております。】

【講演】
福田耕佑(大阪大学/ギリシャ文学・思想)

【コメント1】
橘孝司(國立臺中科技大學/ギリシャ語学・文学)

【コメント2】
田中希生(奈良女子大学/日本思想・精神史)

【コメント3】
稲賀繁美(国際日本文化研究センター/比較文学・文化)

◎日程:10月25日(土)13:30〜17:30
    (開場13:00)
◎場所:奈良カレッジズ交流テラス(奈良女子大学東側敷地内)/オンライン(Zoom)