太田記念美術館:「鰭崎英朋」展(2025年5月31日(土)~7月21日(月・祝))

展覧会情報です。
●公式サイトはこちら
https://www.ukiyoe-ota-muse.jp/hirezakieiho/
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※詳細は上記サイトをご確認ください。
2025年5月31日(土)~7月21日(月・祝)
前期 5月31日(土)~6月25日(水)
後期 6月28日(土)~7月21日(月・祝)※前後期で全点展示替え
6月2、9、16、23、26、27、30,7月7、14日は休館します。
入場料:一般 1200円 / 大高生 800円 / 中学生(15歳)以下 無料
時代の狭間に消えた「最後の浮世絵師」、鰭崎英朋
鰭崎英朋(ひれざき・えいほう/1880~1968)は明治後期から昭和にかけて活躍した絵師です。浮世絵師・月岡芳年の門人である右田年英に入門し、小説の単行本や文芸雑誌の口絵や表紙、挿絵を描き、広く大衆の心をつかみました。しかし、その功績は今日、ほとんど語られることがありません。本展では、浮世絵版画が大衆の暮らしと共にあった最後の時代に英朋がどのような活躍をしたのか、知られざる「最後の浮世絵師」にスポットを当てます。
浮世絵、最後の美人画。英朋の妖艶美に迫る
鰭崎英朋は小説の単行本や文芸雑誌の口絵において、妖艶な美しさを漂わせる女性たちの姿を数多く描きました。その人気は、近代を代表する美人画家として名高い鏑木清方と双璧をなすほどでした。浮世絵版画が大衆向けメディアとしての役割を終えようとしていた大正時代、英朋は木版画における美人画を手掛けた最後の絵師といえるでしょう。浮世絵版画の歴史の終焉を飾る、英朋の妖艶な美人画の魅力に迫ります。
浮世絵版画の座を奪った知られざる石版画の魅力
鰭崎英朋は木版画の口絵と同時に、石版画の口絵も数多く手掛けています。しかしながら、石版画の口絵については、これまでほとんど紹介される機会がありませんでした。そこで本展では、英朋の全貌を明らかにするために、木版画のみならず石版画もボリュームたっぷりに紹介いたします。浮世絵版画から大衆向け娯楽の座を奪った、知られざる石版画の魅力をご堪能ください。
木版画や石版画、肉筆画など、187点を公開する大回顧展
本展では刊行された木版画や石版画だけでなく、原画や彩色の指示をした絵(差し上げ)など、制作工程が分かる作品も合わせて展示します。また、珍しい掛軸や、英朋の息遣いが伝わるスケッチも含め、全部で187点(前後期で全点展示替え)の作品を紹介する、大規模な回顧展となっています。
20歳の時に描いた現存最古の肉筆画「上杉謙信」を初公開
これまで現存する英朋最古の肉筆画は22歳の時のものとされていましたが、今回、それを2年上回る20歳の時の肉筆画「上杉謙信」が発見されました。第9回日本絵画協会第4回日本美術院連合絵画共進会に出品され、褒状2等を受賞した作品で、若かりし頃の英朋の才能の片鱗がうかがえます。前期(5/31~6/25)に初公開いたします。