2024年4月27日の毎日新聞書評欄にて、『彰義隊、敗れて末のたいこもち』(目時美穂著・渡辺保さん評)が掲載予定です

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●詳細はこちらから
https://mainichi.jp/articles/20240418/k00/00m/040/278000c

本書の詳細は以下より

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目時美穂『彰義隊、敗れて末のたいこもち 明治の名物幇間、松廼家露八の生涯』(文学通信)
ISBN978-4-86766-020-1 C0095
四六判・並製・376頁
定価:本体2,500円(税別)
※装幀画 平岡伸三

武士から男芸者に転身――。いかなる架空の物語より、ずっと波乱万丈に富んだ松廼家露八(まつのやろはち)の生涯を追う。

その数奇な人生のせいか、露八は小説に仕立てたくなる欲望を搔き立てるらしい。
岡本綺堂は『東京の昔話』という芝居台本を作り歌舞伎になった。戸川残花は「露八」という小説を書いた。子母沢寛の「蝦夷物語」にも、山田風太郎の『幻燈辻馬車』にも登場する。村松梢風も、江崎惇も、遠藤幸威も小説にした。吉川英治は小説『松のや露八』を書き、それは前進座により上演された。平岩弓枝が脚本・演出を担当し森繁劇団により舞台にもなった。1990年には露八役を植木等が演じた。近年では、阿井渉介による『慶喜暗殺 ― 太鼓持ち刺客・松廼家露八』(徳間書店、2022年)が出た。

そこで描かれた露八は、本当の姿だったのだろうか。

伊藤痴遊は吉川英治の小説を読み「幇間としての露八のみを知つて居て、露八の真骨頂は、解し得なかつたらしく、従て、露八の本態は、捉へ得なかつたのを、甚だ遺憾に思ふ」とした。

幇間として生きながら、戦死した戦友たちの追悼に生涯心をくばり、死後は戦友たちの墓のある円通寺に亡骸をうずめることを望んだ、旧幕臣の内面を探る旅。初めての松廼家露八・本格評伝誕生!

【露八の生きざまには、たとえ敗者となっても、人間は誇りをもって自由に生きることができるのだという、したたかな力がある。それは、敗者の立場に追いやられても、敗北に沈んだみじめな生涯を送る必要も、ただ敗北を挽回するためだけの、劣等感に汚れた望まない労苦に人生を蕩尽する必要もないことを教えてくれるのだ。】「序 ふたつの魂」より





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【著者紹介】

目時美穂(めとき・みほ)

1978年静岡県生まれ。2003年明治大学文学部フランス文学専攻修士取得、2009年同博士後期課程単位取得満期退学。専攻研究のかたわら明治時代の文化風習、文学等に興味を持つ。在学中、古書情報誌『彷書月刊』へ。2010年の休刊号まで編集に携わる。著書に『油うる日々─明治の文人戸川残花の生き方』(芸術新聞社、2015年)、『たたかう講談師─二代目松林伯円の幕末・明治』(文学通信、2021年)。

【目次】

序 ふたつの魂

第一章 水道の水で産湯をつかい

なつかしの小石川小日向
一橋家臣下の家
いちばんむずかしい夢の稼業につく

第二章 放蕩息子の遍歴と帰還 

西国で自由を満喫する
禁門の変

第三章 ものがたき二本挿し

江戸の華、彰義隊
上野戦争
再戦、飯能戦争
漂流
土肥家の子弟

第四章 国破れてのちの世

東京
梶田楼遊女、愛人
榊原先生、撃剣会をもよおす
静岡に行く
自由民権の壮士たち

第五章 明治・東京の名物男 

鬼の勧進
開化の吉原と金瓶大黒楼主松本秀造
自分だけのいちばんの芸
楽しき芸人生活
吉原のにわか過ぎたる夜寒かな
女房と娘と女房のせがれ
いとしの妻狸
去り際はにぎやかに

第六章 おれはさむらい

芝居になった彰義隊
わすれじの
たぬきづか
あたたかな墓

おわりに

松廼家露八略年譜
主要参考文献
主要人物索引