日本近代文学館:講座「資料で読む『東京文学誌』Ⅲ」(2021年4月17日(土)・5月15日(土)・6月12日(土)・9月18日(土)・10月16日(土)・11月20日(土)、各日14:00~15:30)※要申し込み

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講座情報です。

●公式サイトはこちら
https://www.bungakukan.or.jp/cat-lecture/cat-material/12839/
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※申し込みは上記サイトをご確認ください。


原稿・書簡・書籍・雑誌などの資料から近代文学を掘り下げる当館ならではの講座です。今回は、2013年度・2016年度に開催し好評を博しました「資料で読む『東京文学誌』」の第三弾として東京にゆかりのある文学作品や文学者をとりあげます。毎回、講座の内容に関連する当館の所蔵品を特別公開いたします。

会場:日本近代文学館ホール


〈前期〉

永井荷風『日和下駄』の東京 ― 重層する時空間
日時:2021年4月17日(土)
講師:南明日香 相模女子大学教授
『日和下駄』(1915年)の東京は、荷風の土地への感性や経験、広い教養に基づいて重層的に語られている。その世界を、館所蔵の直筆訳稿などを参照しつつ読み味わいます。

芥川龍之介「雛」の銀座「煉瓦通り」―「紺珠十篇の中」という懐かしいお話から小説へ
日時:2021年5月15日(土)
講師:庄司達也 横浜市立大学教授
芥川龍之介の「開化期もの」の傑作「雛」を、「明治」と題された未定稿を傍らに置いて読み解きます。明治初頭の「銀座」を舞台とした、「開化」に翻弄された家族の物語です。

夏目漱石 ― 作品に描かれた東京市外
日時:2021年6月12日(土)
講師:中島国彦  早稲田大学名誉教授
山の手に住んだ漱石は、作品に東京の市外を何度か登場させている。漱石書簡をみると、宛先の門下生の住所には、東京市外も多い。「三四郎」「こゝろ」関連資料などを通して、漱石における東京市外の持つ意味を考える。

〈後期〉

三島由紀夫『鏡子の家』の東京、そしてニューヨーク
日時:2021年9月18日(土)
講師:井上隆史 白百合女子大学教授
「現代青年の物語を書くことによって、現代の壁画を描こうと思った」として三島が世に問うた『鏡子の家』(昭和34年刊)。「雪解け」と呼ばれる冷戦緩和期の日本と世界の一断面を鮮やかに描いた問題作の創作の秘密を探ります。

木下杢太郎『食後の唄』を読む ―〈パンの会〉の青春東京地誌
日時:2021年10月16日(土)
講師:林廣親 成蹊大学教授
明治末文学史に芸術至上主義の名を留める〈パンの会〉の記念碑というべき詩集をひもとき、江戸の面影を残した東京を舞台とする都会詩の名作を、地図や写真を参照しながら読み解き味わっていきたい。

浅草文芸への誘い ― 川端康成『浅草紅団』とタウン誌「月刊 浅草」を結ぶ点と線
日時:2021年11月20日(土)
講師:金井景子  早稲田大学教授
川端康成の『浅草紅団』は、浅草の街おこしに二度寄与した。最初は関東大震災後、二度目はオリンピック後の不況の時期である。タウン誌「月刊 浅草」をひもときつつ、その意義を考える。


※開催時間はすべて14:00~15:30

受講料
各回2,200円(会員2,000円)