東京大学アジア研究図書館U-PARLワークショップ:デジタル資源が蘇らせるユーラシア諸言語の姿-19世紀末から20世紀初頭の文献-(2025年10月3日(金)13時~17時、附属図書館大会議室)※要申し込み

研究会情報です。
●公式サイトはこちら
https://u-parl.lib.u-tokyo.ac.jp/japanese/workshop20251003
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※詳細は上記サイトをご確認ください。
中央ユーラシア学術資源コレクション・ワークショップ
デジタル資源が蘇らせるユーラシア諸言語の姿
―19世紀末から20世紀初頭の文献―
【日時】2025年10月3日(金)13時~17時
【会場】附属図書館大会議室(事前登録制・定員30名)
【プログラム・登壇者】 (*報告タイトルは決定次第、更新いたします)
13:00 開場・受付開始
13:30 開会・趣旨説明 アクマタリエワ (東京大学U-PARL・特任研究員)
13:40-14:10 チュヴァシ語 菱山湧人(日本学術振興会・特別研究員)
14:10-14:40 サルト語 日高晋介(筑波大学・特任准教授)
14:40-15:00 ウズベク語 河原弥生(東京大学RASARL・准教授)
(休憩・10分)
15:10-15:40 カザフ語 大﨑紀子(東京外国語大学AA研・フェロー)
15:40-16:10 サハ語 江畑冬生(新潟大学・教授)
(休憩・10分)
16:20-16:40 コメンテーター 藤代節(神戸看護大学名誉教授)
16:40~17:00 座談会
ファシリテーター:東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所 児倉徳和准教授
東京大学アジア研究図書館U-PARLでは、2025年度より新たな取り組みとして、「中央ユーラシア学術資源コレクション」をスタートします。これは、中央ユーラシア全域にわたる貴重な学術資源を選び抜き、デジタル化して広く公開するプロジェクトです。研究者や学生の皆さんに、世界とつながる新しい知の扉を開くことを目指しています。初年度は「言語学」分野、特にチュルク諸語に注目。北西・北東・南西・南東といった多様な語群をバランスよく取り上げ、19世紀末から20世紀初頭にかけて書かれた、いまではなかなか目にすることのない貴重な資料を収集・公開します。
このプロジェクトには、ちょっとした「発見の物語」があります。企画者は2024年度に中央ユーラシア地域の専門家として本学に着任しました。デジタル・アーカイブの構築を任されながらも、どの資料を選ぶべきか、当初は手探りの状態でした。そんな中、ある日、学内の倉庫を訪れた際に、ひっそりと眠っていた数冊の古い書籍に出会います。どれも100年ほど前に刊行されたもので、長らく誰の手にも触れられず、静かに時を過ごしてきた貴重な資料でした。その本たちをそっと手に取り、慎重にページを切り開いていく作業は、単なる選書ではなく、過去と現在とをつなぐ「対話」のようでもありました。劣化の進んだ紙を破らないように一枚ずつめくりながら、文字の一つひとつに込められた知識と情熱を感じる、かけがえのない時間。まるで、時を超えて誰かから託されたメッセージを受け取るかのような体験でした。
そうして選ばれた資料の中にはすでに海外でデジタル化されている資料もあるかもしれませんが、企画者が大切にしたのは「本」と「研究者」と「社会」とをつなぐことです。資料をただデジタル化して終わりではなく、国内の研究者へ届け、実際の研究に生かしてもらうことで、眠っていた知の価値を再び輝かせたい!そんな想いを込めました。
現在、このコレクションをもとに、研究者たちの新たな発見や議論が生まれています。本ワークショップでは、その成果の一端をご紹介するとともに、中央ユーラシア研究の未来を語り合う場を皆さまと共有できれば幸いです。100年の眠りから目覚めた、知の宝物たち。どうぞご期待ください。