小樽文学館「異端と正統の装幀画家 追悼・村上芳正展」(2023年11月3日(金・祝)~2024年1月14日(日))

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展覧会情報です。

●公式サイトはこちら
https://www.city.otaru.lg.jp/docs/2023101400010/

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※詳細は上記サイトをご確認ください。


村上芳正は1922年長崎市に生まれ、長崎海星中学校中退後、長崎三菱製鋼所で働き、20歳で召集、台湾の航空隊に配置され、終戦後一時抑留、帰郷して原子爆弾で壊滅した郷里に直面しました。 会社の人員整理で退職、上京して筆箱に絵を描く仕事や似顔絵描きで生計を立て、画家・中原淳一が創刊した『それいゆ』『ジュニアそれいゆ』の挿絵を手がけ、1961(昭和36)年、三島由紀夫の戯曲『十日の菊』のポスター、プログラムの装画を手がけたことで運命的な出逢いをし、以後、三島の紹介で河野多惠子・吉行淳之介・倉橋由美子ら日本の文学を牽引する作家の装幀を手がけていきます。

村上芳正にとっての恩人であり、その真価を誰よりも深く理解した三島由紀夫直接の依頼で『豊饒の海』三巻までの装幀を手がけた翌年、1970(昭和45)年、三島は衝撃的な自決を果たします。同じ年に手がけたのが、かつて三島由紀夫や澁澤龍彦らを驚嘆させ、戦後、異端文学の極北と言われた幻の作家、沼正三著『家畜人ヤプー』改訂増補限定版(都市出版社)の装幀挿絵であり、装幀画家・村上芳正の代表作となった作品群です。

 本展は、昨年11月8日に百歳で亡くなられた村上芳正画伯を追悼し、今も多くの人々を魅了して止まぬ芸術家が織りなす華麗な物語の世界を楽しんでいただく企画展です。


入館料:一般
普通入館料(文学館のみご覧になれます)
300円
共通観覧料(文学館と美術館の両方をご覧になれます)
700円