植 朗子『鬼滅夜話 キャラクター論で読み解く『鬼滅の刃』』(扶桑社)
Tweet植 朗子さまよりいただきました。
公式サイトはこちら。
https://www.fusosha.co.jp/books/detail/9784594089917
ISBN 9784594089917 C0076
四六判・並製・352頁
1650円(本体1500円+税)
■この本の内容
民間伝承・比較民俗学の視点から神戸大学の研究員が『鬼滅の刃』を紐解く! ニュースサイト「AERAdot.」の人気連載・『鬼滅の刃』のキャラクター分析記事を大幅に加筆した待望の書。2020年12月から始まった神戸大学研究員の植朗子氏による分析記事は、同サイトで何度も100万PV以上を叩き出し、配信されるたびにSNSで話題となり鬼滅ファンからも認知されているようになった人気連載。SNSでの「単行本で読みたい」という声にお応えし、大幅加筆&キャラクターも追加! 炭治郎や禰豆子、鬼殺隊の「柱」メンバー、鬼たちのセリフや行動の裏にあるものとは!? 全352ページで読み応えもたっぷり。鬼滅ファン必携の書
■目次
第1部 炭治郎と仲間たち
竈門炭治郎
『鬼滅の刃』の主人公はなぜ竈門炭治郎なのか?
――典型的な「少年漫画のヒーロー」を"主役"にしなかったワケ
竈門炭治郎を「強く」した言葉
――「竈門炭治郎立志編」~「無限列車編」まで
竈門禰豆子
『鬼滅の刃』における「兄と妹」の物語
―― 竈門炭治郎・禰豆子から考える「きょうだい」のかたち
人を喰わない鬼・竈門禰豆子がもたらした「矛盾」と「変化」
我妻善逸
『鬼滅の刃』で最もおしゃべりな男・我妻善逸の
セリフに潜む知られざる「本心」
我妻善逸が「遊郭の鬼」に放った"予想外"のセリフ
――『鬼滅の刃』アニメ2期の見どころ
嘴平伊之助
猪面に隠された嘴平伊之助の美しき顔
―― 記憶になかった「母」が遺してくれたもの
栗花落カナヲ
「妹」になりきれなくても愛された栗花落カナヲ
―― 胡蝶姉妹との少し変わった「家族」の物語
不死川玄弥
不死川玄弥が最後にどうしても見たかった兄・実弥の顔
―― 不器用でも不変だった「不死川兄弟」の愛の物語
コラムI 『鬼滅の刃』の魅力的な女性キャラクターたち
第2部 鬼殺隊最強の「柱」たち
水柱・冨岡義勇
冨岡義勇はなぜ「嫌われ者」なのか
冨岡義勇はなぜ禰豆子を斬らなかったのか
蟲柱・胡蝶しのぶ
『鬼滅の刃』で2人の「女神」が必要だった意味
―― 胡蝶しのぶと甘露寺蜜璃
蟲柱・胡蝶しのぶが本当に「笑顔」になれた瞬間
炎柱・煉獄杏寿郎
なぜ煉獄杏寿郎は「夢」を見なかったのか
―― 映画『鬼滅の刃』の重要シーンでわかる「炎柱」の生き様
煉獄杏寿郎は親から何を受け継いだのか
――「ダメな父」と「聡明な母」だけでは割り切れない家族のカタチ
音柱・宇髄天元
音柱・宇髄天元が「遊郭」で戦うことが必然だった理由
宇髄天元の「派手さ」に隠された悲しみ
―― 盟友・煉獄杏寿郎への思い
恋柱・甘露寺蜜璃
恋柱・甘露寺蜜璃が見つけた「真実の恋」
霞柱・時透無一郎
最年少・14歳の「霞柱」早熟の天才・時透無一郎が
みせた「冷静」に隠された「激情」
風柱・不死川実弥
風柱・不死川実弥にまつわる「死」の物語
一度だけ「神」に祈ってでも助けたかった命とは
蛇柱・伊黒小芭内
「蛇鬼」を憎んでいた伊黒小芭内は、
なぜ「蛇柱」を名乗ったのか
岩柱・悲鳴嶼行冥
岩柱・悲鳴嶼行冥はなぜ「鬼殺隊最強」と呼ばれるのか
――念仏と涙の裏に隠された「本当の強さ」
コラムII 煉獄さんの"眉毛"
第3部 非道の鬼・悲しき鬼
鬼舞辻無惨
鬼舞辻無惨が体現した「悪」の二面性と「完璧」への憧憬
黒死牟
上弦の壱・黒死牟が「月の呼吸」を使う意味
――"太陽"だった弟・縁壱への嫉妬と絆
童磨
上弦の弍の鬼・童磨が"同情できない鬼"なのに人気なワケ
猗窩座
強さを求め続けた鬼・猗窩座の
セリフから読み解く「悪役の美学」
玉壺
気持ち悪いと嫌われる上弦の鬼・玉壺
―― それでもファンが認める「重要な役割」とは
半天狗
心優しき炭治郎が「絶対に許せなかった」鬼・半天狗
――小狡さだけではない"卑劣"な心根とは?
堕姫・妓夫太郎
何度生まれ変わっても絶対に
――「遊郭の鬼」の悲痛な願い
獪岳
我妻善逸の"兄貴分"だった鬼・獪岳
――身勝手なセリフに込められた「悲しき自我」
魘夢
中性的でサイコパスな鬼・魘夢
―― 人の「弱み」に付け込む鬼が超えられなかった「人間の強さ」
累
少年姿の鬼・累のエピソードから考える「鬼の罪・人の罪」
コラムIII 猗窩座と狛治
第4部 共に戦った仲間たち
産屋敷耀哉
『鬼滅の刃』に描かれた「呪い」
―― 産屋敷耀哉と鬼舞辻無惨の"頂上決戦"の裏にあったもの
鱗滝左近次
天狗面に隠された元水柱・鱗滝左近次の「本心」と「覚悟」
鬼殺隊の一般隊士
名もなき鬼殺隊の「子どもたち」
―― 彼らの献身は"特攻精神"と"自己犠牲"への賛美なのか
珠世
美貌の鬼・珠世の功罪
―― 鬼舞辻無惨の「運命の女(ファム・ファタール)」が残したもの
愈史郎
愈史郎が"特別な鬼"として生きた理由
―― 1人の女性にささげた「命」と「愛」
継国縁壱
最強の剣士・継国縁壱を翻弄した数奇な運命と兄への思い
コラムIV 最強の脇役「村田さん」のココがすごい!
■著者プロフィール
植朗子
1977年和歌山県新宮市生まれ。神戸大学国際文化学研究推進センター協力研究員。大阪市立大学文学部国語・国文学科卒。大阪市立大学大学院文学研究科前期博士課程修了。神戸大学大学院国際文化学研究科後期博士課程修了。博士(学術)。専門は伝承文学、神話学、ドイツ民俗学。著書に『「ドイツ伝説集」のコスモロジー -配列・エレメント・モティーフ-』(鳥影社)、共著に『はじまりが見える世界の神話』(創元社)、『「神話」を近現代に問う』(勉誠出版)など