早稲田大学演劇博物館:河鍋暁斎画 新富座妖怪引幕×デジタルテクノロジー(2019年11月2日(土)〜12月25日(水) ※2020年再展示予定)

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展覧会情報です。

●公式サイトはこちら
http://www.waseda.jp/enpaku/ex/10147/

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2019年に大英博物館(所在地:イギリス・ロンドン)で開催された展覧会「The Citi exhibition Manga マンガ」(会期:5月23日~8月26日)において、演劇博物館所蔵の「河鍋暁斎画 新富座妖怪引幕」(以下、妖怪引幕)が目玉資料のひとつとして展示されました。縦4メートル、横17メートルの引幕に、河鍋暁斎が明治期に活躍した歌舞伎役者を妖怪に見立てて描いた巨大な作品は、大英博物館の会場でも一際異彩を放っていました。
演劇博物館は「妖怪引幕」の大英博物館での出品を機に、貴重ながら劣化しつつもあるこの資料の状態を記録すべく、凸版印刷株式会社(以下、凸版印刷)の協力を得て、94億画素の高精細でデジタル化を行いました。
さらに、この高精細画像を単なる記録に止めず、凸版印刷との文化財利活用の共同研究として、高精細画像を活用した「妖怪引幕」のアニメーションを制作するとともに、画像を細部まで閲覧できる独自のコンテンツを作成する試みを行いました。アニメーションでは、描かれた妖怪達に音や動きを加えることで、河鍋暁斎が描いた世界に新たな命を吹き込みました。タブレット型ビューアでは、拡大・縮小させながら「妖怪引幕」を細部まで鑑賞できるほか、妖怪として描かれた歌舞伎役者たちの写真や役者絵と見比べることができ、妖怪引幕の魅力をお楽しみいただけます。


会期:2019年11月2日(土)- 12月25日(水)、2020年再展示予定
会場:早稲田大学演劇博物館 3階 常設展/近世
入館無料


アニメーション
「妖怪引幕」に新たな息吹をもたらすアニメーションでは、九代目市川團十郎や五代目尾上菊五郎などの歌舞伎役者をモデルにした妖怪たちが対決する様子を表現しています。最後に新富座内部を描いた浮世絵と組み合わせることで、引幕が使用されていた当時の様子を再現しました。
制作・著作:早稲田大学演劇博物館/凸版印刷株式会社
アニメーション制作:P.I.C.S


タブレット型ビューア
タブレット端末で高精細データを拡大することにより、現物展示の困難な「妖怪引幕」が原寸大で表示され、河鍋暁斎の筆遣いを細部までご覧いただけます。また、各妖怪のモデルになった歌舞伎役者の写真もしくは役者絵を表示し、暁斎の描いた妖怪たちと比較いただけます。


「妖怪引幕」レプリカ 縦70.5㎝×横300.0㎝
実際の約6分の1の縮尺で、質感を再現するため布に印刷。レプリカの下には、「妖怪引幕」に出てくる8人の役者に7人を加え、合計15人の解説を付し、各解説の右上には葛籠にも描かれた家紋を記しました。