文学通信｜多様な情報をつなげ、多くの「問い」を世に生み出す出版社

展覧会情報です。

●公式サイトはこちら
https://www.jissen.ac.jp/kosetsu/exhibits/in_session/copy_of_copy_of_index.html

--------------------

一八九九年（明治三二）、学祖下田歌子（一八五四～一九三六）によって実践女子大学が創設されて、今年でちょうど一二〇周年を迎えました。女性の地位がまだ低かった時代にあって、学祖は深い日本的教養を基本として、衣・食・住と広範囲にわたって先進的な理念を基軸に、教育に邁進しました。特に、歌子の名の由来どおり和歌を得意とした学祖が、幅広い日本古典の知識を駆使して学生たちの教育にあたったことは、広く知られているところです。
　その後本学は、戦災に遭い校舎もろとも数々の文献・文化財を失うという苦難の時代も経験しましたが、学祖以来の日本古典に対する伝統を継承し、さまざまな古典籍を収集してまいりました。しかもそれらは、本学では秘庫に収めるためだけの収集だったことは一切なく、常に学生教育の糧、社会還元への素材として扱われてきました。そのことは社会的存在としての大学が果たせる努めとは何か、という課題に真剣に取り組んできた先人たちによる努力の結晶でもありました。
　そして本年一二〇周年という節目を記念して諸行事が企画されて参りましたが、今回の展覧会もまさしくその一環として開催されるものです。この展覧会では、これまで本学が収集してきた古典籍の中でも『源氏物語』を中心として、特に重要と思われる古典籍を選びました。また新収資料の古筆手鑑『筆陣』も、豊臣秀吉の四国攻めに関する書状（新出資料）など、話題性の強い資料となっております。
　文芸資料研究所・香雪記念資料館・大学図書館の協力のもとで開催されるこの
展覧会が、多くの皆様方に楽しんでいただけるよう、願ってやみません。　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　実践女子大学・同短期大学部 学長　城島　栄一郎

会期：2019年11月25日（月）～12月15日（日）※期間中に展示替えを行います。　
開館時間：11：00～17：00
休館日：日曜日（ただし講演会開催のため、12/15（日）は開館）
入館料：無料
会場：実践女子大学香雪記念資料館　企画展示室1・2

主催：実践女子大学生涯学習センター
協力：国文学科（国文学科創立100周年記念事業）、文芸資料研究所、実践女子大学図書館、香雪記念資料館
後援：渋谷区教育委員会