北海道立文学館:常設展文学館アーカイブ「第4期 村上春樹と北海道」(2025年11月19日(水)~2026年1月18日(日))

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展覧会情報です。

●公式サイトはこちら
https://www.h-bungaku.or.jp/exhibition/archive.html#acv04

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※詳細は上記サイトをご確認ください。


第4期 村上春樹と北海道
会期:2025年11月19日(水)~2026年1月18日(日)


 現代の日本文学を代表する小説家・翻訳家であり、世界中に多くの読者を持つ村上春樹(1949年京都生まれ)。その作品の多くは東京が舞台ですが、『風の歌を聴け』『国境の南、太陽の西』では村上が高校時代を過ごした兵庫(神戸)、『海辺のカフカ』では香川(高松)、『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』では愛知(名古屋)、『騎士団長殺し』では神奈川(小田原)が主要な舞台となっています。
 そして、村上春樹の作品の舞台として欠かすことができないのが北海道です。
 初期の長編『羊をめぐる冒険』(1982年)では、道北に位置する架空の町「十二滝町」が重要な舞台となり、その続編『ダンス・ダンス・ダンス』(1988年)では雪の残る3月の札幌から物語がはじまります。
 また、大ベストセラーとなった『ノルウェイの森』(1987年)では終盤の部分に旭川の地名が印象的に用いられ、ノモンハン事件など過去の戦争の歴史が物語に織り込まれる『ねじまき鳥クロニクル』(1994・95年)では旭川出身の登場人物が描かれます。
 阪神淡路大震災後の短編連作「地震のあとで」の第1作目「UFOが釧路に降りる」(1999年)では釧路が舞台となり、地下鉄サリン事件が執筆の動機の一つとなった『1Q84』(2009・10年)では北海道と歴史的なつながりを持つ樺太(サハリン)ゆかりの人物が作品に顔を出します。
 映画化されて話題となった「ドライブ・マイ・カー」(2013年)では中頓別出身の人物が、また、最近作長編『街とその不確かな壁』(2023年)にも札幌出身の人物が登場しています。
 本展では、村上作品に現れる「北海道」に注目し、どの作品でどのように北海道が出てくるのか、扱われているのかをご紹介いたします。ぜひ、この機会に作品を手に取り、村上春樹ワールドに一歩、二歩と足を踏み入れていただけますと幸いです。


常設展示室内にある「常設展文学館アーカイブ」コーナーは、北海道立文学館に新たに収蔵された資料や当館コレクション中の資料をテーマに従って紹介するコーナーです。
こちらは、常設展「北海道の文学」の観覧料でご覧いただけます。

なお、1年を通して北海道の文学の概要を紹介している 常設展「北海道の文学」については、こちらをご覧下さい。