立命館大学日本文学会第167回例会(2025年12月21日(日)13:00~15:15、衣笠キャンパス恒心館305)
研究会情報です。
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日 時:12月21日(日)13:00~15:15
発表形式:対面 場所:立命館大学衣笠キャンパス恒心館305
***** 題目・要旨 *****
◆谷崎潤一郎・棟方志功『歌々板画巻』―画文交響する生命の歌画集―
本学大学院博士課程後期課程 カシュリン
1957年7月に刊行された『歌々板画巻』は、橘弘一郎『谷崎潤一郎先生著書総目録 第3巻』(ギャラリー吾八、1966.1)において紹介されたように、「まったく両者の共著である。先生の著書のうち異色なものである。」谷崎潤一郎と画家の棟方志功が共同で完成したこの特異な書物は、文学と美術の境界を越えた作品として位置づけできるはずだが、谷崎文学の研究において従来ほとんど言及されてこなかった。
しかし最新版全集の収録によって事情が変わる。『歌々板画巻』が本格的に谷崎文学として認められたという事実、そしてこの書物に関する研究を考えなければならない時期が訪れたのだろう。
本研究は、『歌々板画巻』を単なる挿絵付き歌集ではなく、他者の手を介して再構築された谷崎文学として捉え直すことを目的とする。そして、言語芸術としての歌と造形芸術としての木板画の交響がいかに文学における表現の地平を拡張したかを考えていきたい。
◆『大鏡』における源高明の描かれ方について
本学大学院博士課程前期課程 小出 朔歩
源高明は怨霊として語られる例が少ないが、『大鏡』には安和の変後の失脚と師尹の短命を結びつけた祟りの噂が示される。本発表はこれを手がかりに高明像を再検討し、作中の怨霊が子孫を祟るという一貫した論理から、師尹本人への祟りが「それもまことにや」と留保されたことを明らかにする。また、高明を道長の外戚として扱う構成上、強い怨霊化が避けられた点に注目し、祟りの噂を挿入しつつ曖昧化する語りの意図を示す。
◆明治・大正期の教科書における指示代名詞の使用傾向―形態的側面に注目して―
本学大学院博士課程後期課程 ロ ムテイ
本稿は、形態的側面に焦点を当て、明治・大正期の教科書における指示詞の使用傾向を明らかにした。分析の結果、指示詞の総数は1872年から1918年にかけて一貫した減少傾向が確認された。また、クラスター分析により、教科書は理科グループと国語グループに大別され、両グループは語形、指示系列、語型レベルの全てにおいて、明確な非対称性を示すことが判明した。この非対称性は、当該期におけるジャンル別文体規範の確立を定量的に裏付けるものである。
※ 本学会の大会および例会には会員に限らず会員外の方でもご参加いただけます。
お忙しい時期かとは存じますが、奮ってご参加くださいますようお願い申し上げます。


































































