史学会 第123 回大会(2025年11月8日(土)、9日(日)、東京大学)

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研究会情報です。

●公式サイトはこちら
http://www.shigakukai.or.jp/annual_meeting/schedule/
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※申込方法詳細は上記サイトをご確認ください。

【1日目】

公開シンポジウム「都市と共生のグローバル・ヒストリー」 

◆ 日時 2025年11月8日(土)午後1時~5時
◆ 会場 東京大学文学部 法文2号館1番大教室

グローバル化が進む今日、バックグラウンドの異なる人々とともに生きることは必要不可欠である。とりわけ都市は、限られた敷地のなかで、出身や宗教、社会階層の異なる人々が共存・併存して暮らす特異な空間である。本シンポジウムでは、近世の国際都市を対象に、異邦人や異教徒とともに暮らす「知恵」や、暴動が生じた際の「対処法」など、共生のしくみを探る。

都市においては、ときに出身や宗教をベースとした住み分けや施設の利用制限といった諸政策がとられた一方、マイノリティ自身による居住区内での「自治」や、コミュニティ内で自分たちの言語や信仰や文化を維持し続けることもあった。もっとも、つねに「共生」が成功した事例ばかりではなく、いざこざや暴動、少数派への差別的な政策や規則など、不和や対立が表面化するケースも決して少なくはない。

とはいうものの、都市はやはり様々な人々が暮らす多様性があってこそ、その力を最大限に発揮することができるのもまた事実である。歴史上、出自や信仰を異にする人々が数十年、あるいはそれよりも長く平穏に暮らした都市は枚挙に暇がない。

世界の一体化が進み、交易が活性化する近世には、人の移動もまた盛んになり、とりわけ港町では多様な人々が暮らす都市社会が形成された。このような近世の国際商業都市では、まったく異なる文化背景をもつ人々はお互いどのように都市社会のなかで共生を模索したのだろうか。他者や異邦人・異教徒との共生を可能にしたのはどのような人々だったのか、またそこに何らかのシステムやルールや秩序は存在したのだろうか。共生のためには何が必要とされたのか。そして、共生の限界はどこにあるのか。換言すると、都市空間内の「相違の表出」をきっかけに、都市社会がどのようにその「相違」を乗り越え、他者との「共生」を模索したのかを探ることが本シンポジウムの目的である。

今回対象とするのは、日本の長崎、東南アジアのバタヴィア(ジャカルタ)、西アジアのイスタンブル、地中海のヴェネツィア、およびロンドンといった、ユーラシアの近世国際都市である。これらユーラシアの国際都市を並べて俯瞰することにより、グローバル・ヒストリーとしての比較の視点から多文化共生を多角的に捉え直す。また、コメンテーターには、近代の都市の専門家とグローバル・ヒストリーの専門家を交え、時代の変遷や人口増加とともに、都市社会や空間構造の変化や「共生」への時代的・地域的変容を検討する。

■趣旨説明 守川 知子(東京大学)

■報告

1.「壺中の天」長崎での共生
 ――遊女が取り持つ混沌の時空間――

赤瀬 浩(活水女子大学)

2.縫い合わされた共生、織り上げられた秩序

 ――1740年バタヴィアの虐殺と多民族社会の再編――

大久保 翔平(龍谷大学)

3.ムスリムにとってのご法度、非ムスリムの生活必需品

 ――16世紀後半のイスタンブルにおける飲酒をめぐる規制と「共生」――

                           

澤井 一彰(関西大学)

4.モノが結ぶヒトの縁

 ――国際商業都市ヴェネツィアにおける共生と不和――  

飯田 巳貴(専修大学)

5.17世紀後半のロンドンにおけるユグノー難民の受け入れと宗派主義的共生                           

西川 杉子(東京大学)

コメント                         

島田 竜登(東京大学)
長井 伸仁(東京大学)

【2日目】各部会

9:30~

日本史 古代史部会 法文2号館1番大教室

 
1 前野 智哉

律令制下における負名氏としての中臣氏――大中臣祭主家成立前史――

 
2 小山 大貴

公式令詔書式・勅旨式と「勅」

 
3 松田 めぐみ

維摩会からみた八世紀の藤原氏

 
4 井村  徹

嵯峨朝における御贖儀礼創始の意義

 
5 篠崎 敦史

「渤海」を「唐」と呼ぶこと――平安後期における高句麗・渤海の記憶と認識――

10:00~

日本史 中世史部会 法文2号館2番大教室

 
1 滝野瀬未祐

平家軍制の押領使

 
2 中島 皓輝

日野流分家と摂関家家司

 
3 鷺  慶亮

鎌倉幕府訴訟における反訴の成立と問答対決型裁許の変質

 
4 小松原瑞基

鎌倉後期幕府再審制度における覆勘制の位置

 
5 婁  訳倫

「言説の織物」における日蓮の災害ナラティヴ――日蓮宗の成立と災害の関係について――


6 石井 伸明

『挟物之記』と中世後期の狩猟故実


7 小西  匠

戦国期畿内近国の地域社会と「一職」支配の形成


8 米田  豪

戦国・織豊期における訴訟手続と大名法廷――係争地に対する所務の凍結措置を中心に――


9 木村 俊哉

豊臣政権における「城廻り型蔵入地」の設置形態――石田三成知行宛行状の再検討を通じて――

13:30~

日本史 近世史部会 法文1号館315番教室

 
1 小田島梨乃

近世暦師史料にみる貞享改暦以後の頒暦体制――三島暦師・河合家文書と奈良暦師・吉川家文書を中心に――

 
2 岡島  翔

江戸幕府弓鉄砲組の門番と武器

 
3 田崎 莉子

近世末期の朝鮮外交と大島友之允

 
4 小坂 汐璃

安政期大坂における大野藩国産売捌――大坂北久太郎町大野屋と漆市場の関係から――

13:00~

日本史 近現代史部会 法文2号館1番大教室

 
1 呉  永台

幕末政治と〈藩是〉――肥後細川家の事例を中心に――

 
2 赤井  誠

加藤有隣にまつわる一私見――明治初年の動向にみる――

 
3 桑田  翔

農商務行政の形成と協力体制の整備――地方官との協力を中心に――

 
4 頼  宇韓

近代皇后の軍事的関与再考――大正後期における貞明皇后と奈良武次の関係を中心に――

 
5 山中 勇輝

日清戦争における陸軍と外務省の外国新聞記者の従軍許可・選別と情報提供体制


6 佐藤 友美

昭和戦前期におけるハンセン病患者の主体性について――神山復生病院における野球の活動を通して――


7 神崎 信子

戦間期における企業研究所――三菱造船株式会社研究所(1918-1933)の事例から――

9:30~

東洋史部会 法文1号館113番教室

 
1 高森 勇人

秦・漢初における子の身分・属性決定に見る父母の影響力

 
2 加計 翔成

前漢武帝期における算緡・算車船の目的と成立背景

 
3 王  雲菲

晋・唐期における官署発信文書の成立とその背景――「符」文書の変容を手がかりに――

 
4 曹  錚麟

宋代祠廟信仰における士大夫の理論構築と実践――梓潼信仰を中心にして――


5 董   媛

宋代湖州新市鎮の空間・社会構造


6 高   飛

明代後期の呉県における寺院と地域統合


7 白石廣太郎

形成期から近世期における久米村の人口動態について――久米村士人の出生と死亡に着目して――


8 顧  嘉晨

日本に渡った明朝亡国の史書――張斐手批本『明季遺聞』について――


9 朱  冬芝

乾隆帝の会同四訳館改革とその理念


10 水盛 涼一

明裔の清末――散秩大臣延恩侯明裔朱氏と清朝末期の正統観念――


11 黄  望舒

「以西漁業」の起源――トロール船が描いた東アジアの海上勢力図(1905~1913)


12 劉  浩然

民国期中国の旧監における監獄社会と国家権力――「櫳頭」を切り口として――


13 吉田 和樹

中国共産党の「抗日救国」政権構想

 
14 栗林  聡

蒙疆政権のアヘン政策――1943年以降のアヘン輸出を中心に――

10:00~

西洋史部会 法文1号館215番教室 

 
1 師尾 晶子

カルキス決議再考――アテナイのデロス同盟支配の性格の問い直しのための一試論――

 
2 金田  馨

ローマ帝政前期における騎士級軍職と社会的流動性

 
3 柴田 隆功

初期中世ヨーロッパにおける王の塗油の普及について――10世紀初頭東フランク王国の事例の再検討――

 
4 望月  澪

近世ドイツ大学による検閲事業の一類型――16世紀後半から17世紀前半におけるインゴルシュタット大学による検閲を事例に――

 
5 田瀬  望

18世紀フランス・フリーメイソン団の植民地ネットワークの構造と展開――ボルドーの会所とアンティル諸島植民地――


6 小杉 一海

ドイツ帝国の外国人労働者管理――農業労働者問題を中心に――


7 伊藤 直起

19世紀後半スコットランドにおける自由党の大衆化


8 古城 一樹

ヴィシー政権期パリの不衛生区画事業とユダヤ人迫害――サン・ジェルヴェ地区を例に――