中国研究所:2024年第1回定例学術研究会(5月25日(土)13:00~17:00、東洋文庫2階講演室(対面)+ Zoom(オンライン))※要申し込み

このエントリーをはてなブックマークに追加 Share on Tumblr

研究会情報です。

●公式サイトはこちら
https://www.institute-of-chinese-affairs.com/
--------------------
※詳細は上記サイトをご確認ください。

2024年第1回定例学術研究会のお知らせ New ​

日 時 5月25日(土)13:00~17:00

会 場 東洋文庫2階講演室(対面)+ Zoom(オンライン)

参加費 無料(中国研究所所員・研究会員以外の方もご参加いただけます)


◇報告1(13:00~14:45)

 報告者 小川主税(北京第二外国語学院)

 論 題 「男の絆、あるいは女の声──老舎『趙子曰』におけるジェンダー表象」

【報告要旨】

老舎(1899−1966)の長篇『趙子曰』(1927)は、1920年代前半の北京の下宿屋に暮らす男子学生・趙子曰が大学紛争を首謀した科で退学処分を言い渡され、学友を頼りに新たな生活の道を探し求めるも、ことごとく挫折してゆくさまを描く。大学退学後の趙子曰は同じ下宿屋に暮らす無二の悪友・欧陽天風の口車に乗り、女学生・王霊石との恋愛生活を夢想するが、彼女からすげなく断られてしまう。意中の女性からの愛を得られないという経験は、趙子曰の心にどのような影を落とすこととなったのか。本報告では同時代のほかの作品にも目配りしつつ、『趙子曰』に描かれる男同士の絆や異性との恋愛をはじめとするいくつかの問題について若干の私見を述べてみたい。

 コメンテーター 杉村安幾子(日本女子大学)

◇報告2(15:00~16:45)

 報告者 村田雄二郎(中国研究所、同志社大学)

 論 題 「東洋文庫蔵『リットン調査団 満鉄特製アルバム』について」

【報告要旨】

1931年9月に発生した満洲事変を承けて、国際連盟は12月の理事会で満洲調査委員会(リットン調査団)の派遣を決定した。本アルバムは、南満洲鉄道株式会社(満鉄)がリットン調査団を現地に迎え、満洲国(1932年3月1日成立)や関東軍と連携して、日本の満洲占領と建国の正当性を国際連盟に訴える目的で作成し、5名の調査団委員ほかに贈呈された稀覯本である。内容は大きく、調査団の活動を伝える約100枚の写真と新聞報道の切り抜き40頁からなる。本報告では、中華民国政府参与員・顧維鈞の入満問題のほか、リットン調査団の在満調査活動の「表」と「裏」を画像資料からいかに読み解くのかを検討し、併せて遺されたいくつかの課題について論及する。

​ 司 会 吉川次郎(中国研究所、中京大学)​