川崎浮世絵ギャラリー:「小倉擬百人一首」展(1月5日(水)−2月6日(日))
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会期
2022年1月5日(水)-2月6日(日)
開館時間
11:00-18:30(入館は18:15まで)
「小倉百人一首」は、鎌倉時代の歌人・藤原定家が選定したといわれる100首の和歌で、江戸時代にはカルタとして広まりました。この小倉百人一首の和歌に擬(なぞら)えた(関連付けた)全100図による超大作の錦絵シリーズが、本展で紹介する《小倉擬百人一首(おぐらなぞらえひゃくにんいっしゅ)》です。
絵を手掛けたのは、幕末の浮世絵界を代表する3人の絵師です。歌川国芳は武者絵、歌川広重は名所絵、三代歌川豊国(国貞)は役者絵の名手として名を馳せていました。また、画中の詞書(説明文)を担当したのは、『白縫譚(しらぬいものがたり)』『児雷也豪傑譚(じらいやごうけつものがたり)』などの長編小説で知られる人気戯作者の柳下亭種員(りゅうかていたねかず)です。この豪華メンバーによる《小倉擬百人一首》は、天保の改革の影響がいまだに残る弘化期(1844-48)に版行されました。本シリーズの各図様は一見、武者絵や故事絵のように見えますが、実はその多くは歌舞伎の名場面に取材しています。
天保の改革の一環で、役者絵が禁止されたため、浮世絵師たちはなんとか知恵を絞って、役者を描こうとしました。《小倉擬百人一首》では、図を武者絵や故事絵風に描き、さらに「小倉百人一首」という古典要素を取り入れることで、教養的な絵であるとアピールしたのです。苦肉の策ではありましたが、これがかえって雅俗混淆の妙となり、作品に機知にとんだ味わいをもたらしています。
本展では、「小倉擬百人一首」全100図を一挙公開!浮世絵の3大巨匠が百人一首の世界で繰り広げる夢の共演をお楽しみください。