論文には書けないこと――『近世前期江戸出版文化史』の裏側で(速水香織)(日本の古本屋メールマガジン その295・3月25日号掲載)

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【大学三年時、はじめて井原西鶴の浮世草子を真剣に読んだ。正直に白状するが、面白さどころか内容からほとんど理解できず、専ら『対訳西鶴全集』の口語訳を頼りに必死に読解に取り組んだ。そして命からがら読み終えたとき、唐突に出てくる謎の人名は何なのかと不思議に思ったものだ。それが刊記(現在の奥付)に刻まれる板元名であると知ったのは、しばらく後のことだった。】
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文学通信
速水香織『近世前期江戸出版文化史』(文学通信)
ISBN978-4-909658-24-1 C0095
A5判・上製・カバー装・456頁
定価:本体8,800円(税別)