立教大学 公開講演会「中国・清時代後期における聖書の受容と解釈----事例研究を通して」【使用言語:英語(通訳なし)】(2019年3月19日(火)15:30~19:00、池袋キャンパス 本館2階 1202教室)

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研究会情報です。

●公式サイトはこちら
http://www.rikkyo.ac.jp/events/2019/03/mknpps000000sn3f.html

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2019年3月19日(火)15:30~19:00
池袋キャンパス 本館2階 1202教室

第1部:「カール・F. A.ギュツラフ(1803-1851)の事例」
中国文化は長い文学的伝統を体現し、多元的な宗教世界の中で作り上げられた古典テクストを豊富に持つ文化である。この中国においてキリスト教の聖書はどのように読まれ、どのように受け取られてきたのだろうか。本講義では、ドイツ人のルーテル宣教師であり、のちに独立した宣教活動を始めたカール・F. A.ギュツラフによる聖書注解の考察を通して、西洋の宣教師がどのように聖書を紹介し、どのように聖書を見ていたのかを探る。ギュツラフは19世紀中頃に多くの中国語聖典テクストと対峙しつつ聖書注解を書き、そして植民地時代には聖書受容に関するより包括的な理解を示した。

第2部:「何進善〔ホ・ツン=シィン〕牧師(1817-1871)の事例」
中国文化は長い文学的伝統を体現し、多元的な宗教世界の中で作り上げられた古典テクストを豊富に持つ文化である。この中国においてキリスト教の聖書はどのように読まれ、どのように受け取られてきたのだろうか。本講義では、中国初のプロテスタント牧師で神学者のホ・ツン=シィン(彼は長い間その存在を無視されてきた)による新約聖書注解の考察を通して、中国における聖書解釈の初期の事例を明らかにする。さらにこれを通して、中国人改宗者たちがキリスト教聖書を受容するに当たって、中国文化の中で紡がれてきた解釈学の伝統がどのような影響を与えたのかも明らかにする。
(講演は英語で行われ、通訳を提供しない。)

講師
浙江大学副教授、リージェント・カレッジ中国キリスト教研究講座のディレクター
梁 慧 氏
梁慧はPh.D.取得(浙江大学、リージェント・カレッジ〔カナダ〕にて)、博士研究員(バル=イラン大学聖書学部〔イスラエル〕にて)、Th.M.取得(ウェスタン・セオロジカル・セミナリー〔アメリカ〕にて)。現在、中華人民共和国教育部浙江大学キリスト教と多文化研究センター特別研究員。また、浙江大学人文学院聖書科において副教授・博士課程指導教授も務める。最近、リージェント・カレッジの中国キリスト教研究講座のディレクターに就任した。
研究テーマは旧約聖書学、中国における聖書解釈とキリスト教思想。これまでに聖書研究の分野(とくに中国の聖書解釈について)で50本以上の論文と数本のモノグラフを発表している。The Biblical Libraryシリーズの編集長、Regent Review of Christian Thoughts、Biblical Literature Studies、The Textbook of the Hebrew Bibleシリーズなどの編集委員、International Journal of Harmony の編集顧問委員、香港にある漢語基督教文化研究所(Institute of Sino-Christian Studies)の学術委員などを務めてきた。最近の論文「対話的解釈学:聖典比較研究の視座からの中国聖書研究の方法論的探求」("The Dialogical Hermeneutics: The Methodological Exploration of Chinese Biblical Studies from the Perspective of Comparative Scriptural Studies," Logos & Pneuma 50, Spring 2019)では、中国の文脈内での聖典間解釈学の領域における最新の代表的な研究について考察している。