日本近代文学館「生誕110年太宰治 創作の舞台裏」(2019年4月6日(土)-6月22日(土))

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研究会情報です。

●公式サイトはこちら
https://www.bungakukan.or.jp/cat-exhibition/11837/

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開館時間 午前9時30分~午後4時30分(入館は午後4時まで)
観 覧 料 一般300円(団体20名様以上は一人200円)
中学生・高校生100円
休 館 日 日曜日・月曜日・第4木曜日(4/25、5/23)
特別整理期間(6/11-15)
*ゴールデンウィーク中は日月を除き開館
編集委員 安藤宏(東京大学教授 日本近代文学館理事)

【生誕110年 太宰治 創作の舞台裏
このたび生誕110年を記念して、太宰治展を開催いたします。

当文学館は過去、没後20年展から50年展に至るまで、何度か本格的な太宰治展を開催してきた実績があり、また、全国各地の文学館でも、さまざまな形で太宰治の魅力が紹介されてきた歴史があります。これらとの重複を避けるため、今回は思い切って「資料に見る創作の舞台裏」という一点に焦点を絞ることにしました。太宰治の生涯をたどったり、活動した地域との関係に力点を置くのではなく、あくまでも残された「資料」それ自体に主役になってもらうことに意をそそいでいます。そのため、チャプターも時期別ではなく、資料の性格別に組んであり、これらを読み解く面白さを通じて、作品の生み出される創造の機微に触れて頂ければ幸いです。

今回特に注目すべきものの一つは「お伽草紙」の完全原稿で、初めてその存在が明らかになったものです。このほか、これまで知られてきたと思われる資料の中にも新たな要素がさりげなく組み込まれていますので、「通」をもって任じておられる方にも意外な発見を楽しんで頂けるのではないかと思います。個々の資料には、これを保管してきた方々のさまざまな思いや物語が託されており、そうしたいきさつや経緯を知って頂くことにも留意しました。

当館の「太宰治文庫」は 1987年、97年、2014年の三回に及ぶご遺族からの資料の寄贈から成り立っており、原稿、草稿を初めとする計423点に及ぶ資料は、他の追随を許さぬ研究資料の宝庫になっています。ほかにも中学高校時代のノートを初め、多くの直筆資料の寄贈があり、この企画はそれらのエッセンスを結集しています。ご遺族を初め、貴重な資料を寄贈して下さいました関係各位に、あらためて、心より御礼申し上げます。

(編集委員 安藤宏)】