第55回芸能史研究会大会 シンポジウム「《平家語り》の継承と変容」(仮題)(2018年6月10日(日)13:30~17:30、同志社女子大学(予定))

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研究会情報です。

●情報入手はこちら
http://mamedlit.hatenablog.com/entry/2018/02/26/184602

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日時:6月10日(日)13:30~17:30

会場:同志社女子大学(予定)  *来聴歓迎

基調講演・司会:松尾葦江

講師:辻浩和(川村学園女子大学准教授)

鈴木孝庸(新潟大学人文社会・教育科学系フェロー)

薦田治子(武蔵野音楽大学教授)

【趣意:平家物語といえば、琵琶法師が語ったというイメージが、一般読者にもつよく印象づけられている。近年では殊に学校教育を通して、その傾向は増幅されているらしい。しかし、それはかならずしも「平家」を語る琵琶法師の実態や《平家語り》あるいは平曲についての十分な理解をふまえたものではない。その結果、漂泊の琵琶法師の活動と当道座の管理下における平曲のあり方とが混同されたり、平家物語詞章の韻律と平曲の音楽性が同一視されたり、膨大な平家物語諸本の発生と《平家語り》の流動性が安易に結びつけられているという状況が生まれているように思われる。そこには、平家物語の成立や成長をめぐる文献研究と《平家語り》についての芸能史研究との連携不足という状況があるのではないかと思われるが、それが本企画のそもそもの出発点でもある。 

平家物語が、《平家語り》と特別の関係をもつことによってその独自性を育んできた文学であるのならば、いま、そのことの意味を過不足なくとらえ直し、芸能史研究、平家物語研究双方にとっての課題を認識すべき時期にきていると思う。そこで、今回は中世芸能史、中世日本文学、語り物文芸、日本音楽の各専門分野からそれぞれ最新の研究状況を報告してもらい、《平家語り》の「継承と変容」について考えてみたい。また、基調報告、パネル報告後のディスカッションでは、フロアからの意見も伺う予定である。

一方で、当道座以来の、口から耳への《平家語り》は、今や存続の危機に瀕している。そこでは譜本による継承は行われてはいるが、本来、芸能は人から人へ、身体を通して承け継がれていくものであったことを思えば、我々の時代に、《平家語り》が化石化してしまわぬために何が出来るのかも、この機会に考えてみたい。】