情報処理学会・人文科学とコンピュータ研究会:シンポジウム「じんもんこん2025 社会をつなぎ直す情報技術」(2025年12月13日(土)14日(日)、九州大学 伊都キャンパス 椎木講堂)

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研究会情報です。

●公式サイトはこちら
https://jinmoncom.jp/sympo2025/index.html

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※詳細は上記サイトをご確認ください。


趣旨
今日、世界各地で暴力の連鎖や気候変動が惨憺たる状況を生むと同時に、「科学知」と社会の対立が露わになることで、「分断」が深刻化している。地球規模での気候変動や軍事衝突への対応に表れているように、人類が共通の理念の下に行動するという理想からは程遠く、事実認識の不一致を解決する努力さえ放棄されるようになっている。またアメリカ合衆国では、2025年5月にトランプ大統領が全米人文科学基金と全米芸術基金を廃止した結果、全米人文科学基金の職員のおよそ3分の2が解雇される事態に至った。日本でも、6月11日に日本学術会議を法人化する法案が、参議院本会議で可決、成立した。SNSなどでは、科学、特に人文科学や芸術の研究に税金を使用することへの反対や不信感を表明する投稿が見られ、「批判」を基礎に置く人文知と社会の分断が先鋭化している。

かつてインターネットは、マスコミやアカデミアによる「権力としての知」の独占を批判し、誰もが情報を発信し、発言し、他者と討論できる情報空間としての役割を期待された。しかし、現状では選別された情報にのみ依拠した人々の分断を可視化することで、対立と排除を煽る空間と化している。一方アカデミアにおいても、理系・文系の区分をはじめとして、各分野間の相互理解が進んでいるとは言い難い状態が続いている。

本シンポジウムでは、このような分断の複層的な状況を踏まえて、分断を跨いで「社会をつなぎ直す」ために人文情報学はいかなる役割を果たしうるか、を主要なテーマとしたい。情報技術の批判的な検討の上に、それを用いた情報の共有と解釈、新たな知の創造の可能性を今一度考えることによって、社会と科学知、そして社会をつなぎ直すための手がかりを議論できれば幸いである。

主催
情報処理学会 (IPSJ)
人文科学とコンピュータ研究会 (SIG-CH)

共催
九州大学 人文情報連係学府
九州大学大学院 人文科学研究院
九州大学 人社系協働研究・教育コモンズ
九州大学大学院 統合新領域学府 ライブラリーサイエンス専攻
九州大学大学文書館
九州大学附属図書館