早稲田大学 文学部【東洋哲学コース】講演会 7/28「The Circulation of Pure Land Imaginaire in Medieval East Asia: Focusing on Yuanzhao's Pure Land Maṇḍala. (中世東アジアにおける浄土イマジネールの流通: 元照系観経十六観変相図を中心に)」(2025年7月28日(月)15:00~17:30、早稲田大学戸山キャンパス33号館3階第1会議室)

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研究会情報です。

●公式サイトはこちら
https://www.waseda.jp/flas/hss/news/2025/07/01/14213/
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※詳細は上記サイトをご確認ください。

講師:王 星逸 氏 (香港中文大学助理教授)

コメンテーター:武本 宗一郎(早稲田大学文学学術院講師(任期付))

【日時】2025年7月28日(月)15:00~17:30

【会場】早稲田大学戸山キャンパス33号館3階第1会議室

【対象】学生、教員、一般

【参加方法】事前申し込みは不要です。直接会場へお越しください。

【お問合せ】早稲田大学東洋哲学コース室

【講演概要
本講演では、中世の浄土教において、「観経十六観変相図」と通称される視覚的な装置を用いた修行実践に焦点を当てる。視覚資料や文字資料を用いた先行研究によって実証されたように、この浄土曼荼羅とよばれるジャンルは、元照(1048-1116)の『観無量寿仏経義疏』との明確な関係が存在する。これをさらに検討するために、元照の浄土曼荼羅と、多くの研究がある『當麻曼荼羅』との比較に基づき、主に二つの点を指摘したい。一点目は、この二つの浄土表象のあいだで、「浄土の視覚様式」が明らかに変化していることである。本講演では、この変化を説明するいくつかの重要な視覚的相違点について述べるが、これらが浄土理解の変化を反映したものであることは間違いない。二点目は、浄土曼荼羅に対する高い評価とその普及が、中世日本における浄土教教団の成立にどのように貢献したかについてである。結論として、浄土曼荼羅は、善導の浄土思想とは対照的に、元照の浄土思想を反映しているだけでなく、モノの流通を通じて、東アジア仏教における浄土のイマジネールを、代替的ではあるが、共有することを促進したと論じる。】