日本文学協会第80回(2025年度)大会 テーマ フィクションの精神――「「である」ことと「する」こと」を出発点に――(2025年11月2日(日)12時30分受付開始・13時開始、東京女子大学)

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研究会情報です。

●公式サイトはこちら
http://nihonbungaku.server-shared.com/whatsnew/2025_taikai_80kai.html
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※詳細は上記サイトをご確認ください。

11月2日(日)12時30分受付開始・13時開始
会 場  東京女子大学

テーマ フィクションの精神
       ――「「である」ことと「する」こと」を出発点に――

 フィクションを「ある便宜のためになんらかの機能を果たさせるために設けた相対的存在」と規定したのは、丸山眞男だった。フィクションは思想のパースペクティブの流動性を確保するという丸山の考え方は、自身の後年の思想の展開にも与している。たとえば、「いろいろな領域で「先天的」に通用していた権威にたいして、現実的な機能と効用を「問う」」営みへの移行を述べたのが、長らく高校国語の定番教材ともなってきた「「である」ことと「する」こと」である。この主張の背景には、丸山のフィクション観がある。
 こうしたフィクションの機能的な側面は、思想だけでなく古典文学や近現代文学の領域においても問われ続けている。それは文学作品に内在する形で、思想と文学との架橋を構想したり、文学や芸術に関わる批評的な営為となってあらわれたりもする。フィクションの機能性に注目するなら、学問領域や教育カリキュラムを枠取るための諸制度、「学問的構築」もまたひとつのフィクションであるといえる。
 丸山が述べた「する」論理への移行は、近代や民主主義を問う文脈で主張されたが、今大会ではフィクションが言葉をめぐる営みにおいていかにかたどられ、対象化されてきたかを、文学・思想において考えてみたい。「実用」が尊ばれる時世だからこそ、フィクションの効用や意味を問い直すことに本企画の主眼がある。
シンポジウム
  丸山真男・百川敬仁・「近世神話」論
      ――あらためてフィクションの意義を問う―― 山下久夫
  フィクションの争い
      ――丸山眞男/三島由紀夫から発して 宮澤隆義
  歴史小説と史実
      ――丸山眞男のフィクション観を視座に――(仮) 山田哲久

討論 司会 尾崎名津子・加藤直志
形式 完全対面
*シンポジウムは、会員に限らずどなたも参加できます。
*資料は、日本文学協会ホームページの大会特設ページにて10月29日(水)よりダウンロード可能となる予定です。

総会 17時~18時(会員のみ)
懇親会 開始時間・会場は決まり次第お知らせいたします