古田尚行『国語の授業の作り方 はじめての授業マニュアル』(文学通信)

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6月下旬刊行予定です。

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古田尚行『国語の授業の作り方 はじめての授業マニュアル』(文学通信)
ISBN978-4-909658-01-2
C1037
A5判・並製・320頁
定価:本体2,700円(税別)





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読者はがきより★『国語の授業の作り方』

読者はがきより(2019.8.29)★『国語の授業の作り方』

帯にあった"授業の「暗黙知」を可能な限り言語化して伝える!"という言葉が、まさにぴったり。これほどまで、わかりやすく授業づくりについて書いてある本は他にはない。教員9年目、著者の勤務校である広大附属福山高校で実習をお世話になったが、その時にこの本を読みたかった。今、授業のことで悩み(転職を考えるくらい)苦しんでいたが、この本に救われた。

■この本を知ったきっかけ
○○高校で行われている研究会で知人の先生に紹介していただいた。

2018.7.9到着分
研究/実践、国語教育/文学研究、研究者/教員が断絶した上、多忙な昨今の教員の救世主となる1冊である。特に板書・発問の「暗黙知」を明らかにした意義は大きい。本書の内容は、教壇に立つ上で必要な基盤を提供してくれている。お世辞でなく、国語科全ての教員が必読すべき1冊である。感謝。

2018.7.30到着分
学ぶ所の多い本でした。学校の教師だけでなく、大学の教員や図書館や博物館などの社会教育施設の職員で講座や講習会の講師役を担当することになった人にもオススメしたい内容です。最後の文献リストは改善の余地あり。文章(説明)にくらべて挙げられている文献の量が多いので見づらいか。リストにしたほうがよいのでは。

2018.8.15到着分
授業作りの実践例だけではなく、様々な文献を用いて根本的な諸問題に触れられており、大変有益な書籍であった。注釈も豊富で読みごたえのある内容でした。

2018.10.10到着分
この本は、私が教育実習に行く前に発売され、購入しました。研究授業に向けての細案の書き方、授業中の立ち居振る舞い、実習でのポイントなど、全て実習中に役立つことばかりでした。担当指導の先生からも「授業中、よくそこまで細かい配慮が出来るね」と言っていただいたのですが、それも、この本を読んで「もしも」の時をあらかじめ考えられたからだと思います。実習は大成功でした、ありがとうございます!
しかし実習先が光村図書の教科書だったので、光村の教材も扱って下さるともっとよかったです!!

(本書を知ったきっかけ=作者、古田さんのtwitterで見て)

2019.2.21到着分
教科教育の方法論や内容論を分かりやすく解説されていて読み易かった。今後は各教科でも同様に授業論に関する知見を分かりやすく説いた文献を刊行してほしい。

(本書を知ったきっかけ=アマゾンHP)

2019.5.13到着分
今年度教育実習に臨む大学4年生の者です。国立大の教職課程の授業では指導案の書き方や板書、模擬授業を行うことがなく実習に行くことになる(私の大学だけかもしれませんが)ので、本書がとても参考になりました。元気に実習行ってきます!!

(本書を知ったきっかけ=ツイッターでもともと書名は知っていましたが、大学の先生が勧めていたことが購入の決め手になりました。)


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著者のブログより

『国語の授業の作り方-はじめての授業マニュアル』刊行(国語科教員の部屋)
http://monkokugo.blog.fc2.com/blog-entry-435.html

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立ち読み公開(期間限定)

「はじめに」、「信頼される教員とは」(第4章1)を期間限定全文公開○古田尚行『国語の授業の作り方 はじめての授業マニュアル』(文学通信)

「他の人の授業を観察する」(第3章2)、「授業中と授業外の生徒の姿」(第3章3)を期間限定全文公開○古田尚行『国語の授業の作り方 はじめての授業マニュアル』(文学通信)

「生徒とのやりとり1――発問に対する生徒の反応と声について」(第2章7)を期間限定全文公開○古田尚行『国語の授業の作り方 はじめての授業マニュアル』(文学通信)

「教材を結びつける方法」(第4章2)を期間限定全文公開○古田尚行『国語の授業の作り方 はじめての授業マニュアル』(文学通信)

「授業作り3・発問計画――組み合わせて授業の流れを作る」(第1章7)を期間限定全文公開○古田尚行『国語の授業の作り方 はじめての授業マニュアル』(文学通信)


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教育実習生とその指導教員のために。これから教員になる人と、すでに教壇に立っているすべての人に。

本書は、中学校・高等学校で初めて授業をすることになる教育実習生を念頭に、実際に国語の授業を組み立てていくノウハウを、授業を詰めていく過程や、振る舞い方や言葉遣い、それらを支える考え方や思想、またその意味など、いわゆる暗黙知とされている部分まで踏み込み、言語化して伝えます。

全体を「授業の前に」「授業中のこと」「授業の後に」「授業作りのヒント集」「授業作りで直面する根本問題」「授業の作り方・事例編」「教材研究のための文献ガイド」の7章で構成。

どのような学校に勤めようが、どのような授業になろうが、それらに適応する普遍的な国語の授業方法や視点があるとの考えから述べられているので、既に現場に出ている教員にとっても、普段の授業を見直すことができるものにもなっています。また本書で提示される具体的な授業作りは、教育現場と文学・語学研究の場との乖離の問題をより深く見つめ直せるものにもなっています。
国語教育や文学研究に携わる人すべてに読んでもらいたい、はじめての授業マニュアルです。

【今回、私が本書で述べてきたことは一人の授業者の「暗黙知」を言語化するという営みです。
 いろいろな実践を収めた書籍や論文には優れたものも多いのですが、それらの多くは「なぜ」その学習過程にしたのか、その理論的な枠組みはどのような目標や目的において援用されたのかを説明するものはあっても、そして具体的な問い方やアプローチやその授業の成果や課題は述べられたとしても、そこからさらに実際の授業を詰めていく詳細な振る舞い方や言葉遣い、それらを支える考え方や思想、その意味を一つの流れの中で説明しているものは少ないように思います。...(中略)...「体験しないとわからない」ような知の説明は少しでも言語化されて開かれていく必要があると思いました。この目的がどこまで達成できたのかは心許ないのですが、本書の内容が少しでも役に立ち、そして本書を読んで読者から声(賛同する声、批判する声も含めて)が上がっていくことがあれば、筆者としてはこれにまさるものはありません。】...「おわりに」より

【著者紹介】

古田尚行(こだ・なおゆき)

1984年、山口県生まれ。2003年、山口県立柳井高等学校普通科科学英語コース卒業。2007年、広島大学教育学部第三類国語文化系コース卒業。2009年、同大学院教育学研究科言語文化教育学専攻博士課程前期修了。
広島県立広島高等学校非常勤講師、安田学園安田女子中学高等学校教諭、広島大学附属中・高等学校教諭を経て2018年より広島大学附属福山中・高等学校教諭。
これまで書いてきたものに、「メディア・リテラシー教育の諸問題」『国語教育研究』53号(広島大学教育学部国語教育会、2012年)、「「らしさ」考:「敦盛最期」、「木曾最期」の実践から」『論叢国語教育学』復刊4(広島大学大学院教育学研究科国語文化教育学講座、2013年)、「『古今集』と『伊勢物語』の想像力-「二条后物語」を軸にした授業-」『国語科教育研究紀要』46号(広島大学附属中・高等学校、2015年)、「文学雑誌の休刊-国語科教員が研究を考えるということ」『リポート笠間』60号(笠間書院、2016年)、「文学・語学研究者のための国語科教育学研究成果へのアクセス方法」『リポート笠間』61号(笠間書院、2016年)、「聞き手を意識する返歌創作の授業」『中等教育研究紀要』63号(広島大学附属中・高等学校、2017年)、「古文の授業の作り方」 『国語教育研究』58号(広島大学教育学部国語教育会、2017年)がある。ブログ「国語科教員の部屋」を開設(更新少なめ)、Twitterのアカウントは@coda_1984

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★古田尚行・CiNii論文検索結果(本文あり)はこちら

【目次】

はじめに

 ・教育実習生と指導教員のために
 ・既に現場に出ている国語科教員のためにも
 ・教育現場と研究の場との溝を埋めるために
 ・常に学び続け、問い続けるために
 平成29年度用教科書別作品本文引用一覧

第1章 授業の前に

【この章では、教育実習の始まり、すなわち教材を受け取ってから実習先に行くまでの間に教育実習生は何をするかという流れを中心に説明しています。】

 ①学年・教材が決定したら
 ②生徒ではなく授業者の立場から考える
 ③教材分析・教材研究にとりかかる
 ④生徒に考えてほしいことと、あなたがしたいこと
  ――より開かれた問いを立てるために
 ⑤授業作り1・学習指導案――その形式と授業の展開
 ⑥授業作り2・授業の目標――どこに置くか
 ⑦授業作り3・発問計画―――組み合わせて授業の流れを作る
 ⑧授業作り4・板書計画―――言葉の引き出し方と工夫
 ⑨実習にむけて
 付・板書のレッスン
  1.重松彌佐『蛇の森のいちご』
  2.「推敲」(『唐詩紀事』)
  3.鷲田清一『わかりやすいはわかりにくい?』
  4.「防人に行くは誰が背と問ふ人を見るがともしさ物思ひもせず」(『万葉集』)

第2章 授業中のこと

【この章では、実際の授業中に起きることや授業での心構え、必要な観点等を中心に説明しています。】

 ①生徒の名前の呼び方
 ②生徒を指名する方法
 ③教科書を開く――待つこと
 ④黙読・音読で気をつけたいこと
 ⑤感想文・課題文で気をつけたいこと
 ⑥教室の中を移動する方法――教壇上や机の間でどう振る舞うのか
 ⑦生徒とのやりとり1――発問に対する生徒の反応と声について
 ⑧生徒とのやりとり2――板書する時に注意すること
 ⑨生徒とのやりとり3――教室に溢れる意見の着地点
 ⑩授業の成立・不成立――生徒の学びを中心に考える

第3章 授業の後に

【この章では、授業を終えた後のこと、さらに教育実習が終わって大学に戻って現場に出るまでの流れを説明します。】

 ①指導教員との反省会――8つのよくある失敗例
 ②他の人の授業を観察する
 ③授業中と授業外の生徒の姿 
 ④大学に戻ってから取り組む課題
 ⑤現場に出て一番大切なこと
 ⑥教員にならなくても

第4章 授業作りのヒント集

【この章では、これまで触れられなかったけれど大切なことや、私が今感じている、考えていることの中で授業作りと関わりがありそうな話題を取りあげて述べています。まとまったものではなく断片的なものであるので、好きなところから自由に読んでください。】

 ①信頼される教員とは
 ②教材を結びつける方法
 ③「語り」を知り、「語り方」を考え直す
 ④その言葉は誰に向けての言葉か――聴き手意識、読み手意識から考える
 ⑤教室の中の「笑い」
 ⑥ブックトークと読書
 ⑦状況に応じて言葉を選択するヒント
 ⑧支援の必要な生徒のために

第5章 授業作りで直面する根本問題

【この章では、授業作りの際に直面する、あるいは直面しているのになかなか気づかない「観」について述べてみたいと思います。】

 ①生徒は子どもなのか、大人なのか
 ・子どもとは何であったか
 ・子どもにとってよい教育とは
 ②国語教育と国語科教育の違い
 ③文学理論と国語の授業
 ④「美しい日本語」と国語の授業
 ⑤古典観と古典教育観

第6章 授業の作り方・事例編

【この章では、いくつかの教材を授業として扱う場合にどのような流れになるかを部分的にシミュレーションをしたものを作ってみました。その際に注意する点や支援上問題になる点などにも触れています。
 これらはすべて私の授業記録や記憶に基づくものですが、一部省略したり改変したりしています。「香炉峰の雪」は1章でも扱ったものですから、これを例として詳しくみていきます。また最後の「蜘蛛の糸」についてはほぼ授業記録通りになっています。】

①中学3年生――『枕草子』「香炉峰の雪」(学校図書『中学校国語3』)
②中学2年生――『枕草子』「九月ばかり、夜一夜降り明かしつる雨の」(東京書籍『新しい国語2』)
③高校2年生――『枕草子』「村上の先帝の御時に」(第一学習社『古典B 古文編』)
④高校2年生――『徒然草』「ある者、子を法師になして」(第一学習社『古典B 古文編』)
⑤高校2年生――樊噲、頭髪上指す『史記』「鴻門之会」(第一学習社『古典B 漢文編』)
⑥高校2年生――夏目漱石『こころ』(三省堂『現代文B』)
⑦高校2年生―李白「独坐敬亭山(独り敬亭山に坐す)」(第一学習社『高等学校 古典B 漢文編』)
⑧高校2年生――『平家物語』「忠度の都落ち」(第一学習社『古典B 古文編』)
⑨中学1年生――芥川龍之介『蜘蛛の糸』(教育出版『伝え合う言葉 中学国語1』)

第7章 教材研究のための文献ガイド

【この章では、教材研究において参考となる文献やウェブサイトを紹介しておきます。
 早稲田大学教育学部国語国文学科のウェブサイトには「国語国文学科で学ぶために」 (http://www.waseda.jp/prj-edu-kokubun/zaigaku.htm)というPDFファイルがあり、幅広い文献が紹介されています。年度毎に改訂されています。この中で紹介されているものについては、大学の講義や演習で用いたものもあるでしょう。以下に挙げるものは、比較的容易に入手しやすく読みやすいものを選んで紹介していますが、一部難しいものも含んでいます。難しいというのは何の知識や前提のないままに読むことが困難だということです。基本的には新書や文庫は一般向けなので読みやすいのですが、実際に読まないとこればかりはわかりません。】

①現代文のキーワード、背景知識
②文章構造、文章表現
③哲学・現代思想
④言葉の世界
⑤ライトノベル・ヤングアダルト・アニメ・コミック
⑥古文・和歌
⑦日本史・宗教史・文学史
⑧古典文法・文字
⑨漢文・漢字
⑩教材分析・国語科教育学
⑪メディア・リテラシー
⑫授業実践・海外の取り組み・生徒の多様化
⑬文学理論
⑭読みの技術
⑮日本と日本語を外からの視点で捉える
⑯発想の転換
⑰副教材・入試問題
⑱情報検索

おわりに

参考文献
キーワード索引