全国歴史資料保存利用機関連絡協議会:近畿部会第168回例会(2024年2月2日(金)14:00~16:30、キャンパスプラザ京都 2階第2会議室)※要申し込み

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研究会情報です。

●公式サイトはこちら
http://jsai.jp/iinkai/kinki/kinki-top.html

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※詳細は上記サイトをご確認ください。


日 時
 2024年(令和6年)2月2日(金曜日) 14:00~16:30 
場 所
 キャンパスプラザ京都 2階第2会議室 (京都市下京区西洞院通塩小路下る東塩小路町939)
       
方 法
 対面で行います。

テーマ
 近現代記録資料群の編成・記述の実践 ー欧米の基本書・マニュアルの有効性を検証するー 

登壇者
報告者1 橋本 陽 氏(京都大学大学文書館)
報告者2 平野 泉 氏(立教大学共生社会研究センター)
報告者3 堀内 暢行 氏(国文学研究資料館)
司  会 橋本 陽 氏(京都大学大学文書館)

参加費
無料  (先着30名) 


内 容
 近畿部会第 163 回例会では、アーカイブズ学におけるいくつかの基礎概念を取り扱った。本会では、その 中でも特に「編成・記述」に着目し掘り下げたい。理由は、「編成・記述」が資料公開の上で必須の作業で あり、すべてのアーキビストが何らかのかたちで関わる普遍的なテーマであるからである。
 意外なことに、日本の「編成・記述」論は、欧米の基本書やマニュアルを参照していないものが多数を占 める。有名な段階的整理についても、イギリスの碩学であるマイケル・クック(Michael Cook)の著作 1 冊 が取り上げられるのみである。記述に限っては、ISAD(G)やオーストラリア・シリーズ・システムを参考と する論考があることから、アーカイブズ学先進地域の知見を採用しているようにみえるが、それらをどのよ うに全体の整理の流れに取り込んで実務を進めるかは不明瞭なままである。
 このような現状に鑑み、本例会では、「編成・記述」の過程を説明する欧米の基本書・マニュアルをもと に、日本の近現代記録資料群を整理できるかどうかについて考察する。対象とするのは、英語のほか、フラ ンス語、イタリア語、ドイツ語の文献である。ヨーロッパでは、古文書整理の経験を基礎としながら、19 世 紀後半よりアーカイブズ学が発展しており、その点で古文書を大量に保有する日本の状況と類似している ともいえる。一方、アメリカでは、大量に存在する近現代の記録資料群を迅速に整理し、利用に供する手法 である More Product Less Process(MPLP)の考えが幅広く支持されている。このようなヨーロッパおよび アメリカの基本的な見解を確認した上で、日本にある記録資料群をどう「編成・記述」するかについて検討 する。この問題については、未整理の記録資料群を対象に考察した成果を、実際にその整理を担当したアー キビストが報告する。
 質疑応答の時間では、これまでの整理の経験・未経験を問わず、参加者からの自由な意見を募り、活発な 議論を行いたい。