日本図書館情報学会:臨時シンポジウム「日本における大学図書館のグランドデザイン」(2022年3月5日(土)14:00~16:00、Zoom)※要申し込み

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研究会情報です。

●公式サイトはこちら
https://jslis.jp/2022/01/11/specialsymposium220305/
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※詳細は上記サイトをご確認ください。


主旨:
2011 年に米国の University Leadership Council より,Redefining the Academic Library: Managing the Migration to Digital Information Services(『大学図書館を再定義する:デジタル情報サービスへ上手に移行する』)が公刊された。そこでは,大学図書館における変化として,①蔵書規模が重要性を失っている[注:「所有」から「アクセス」への変化],②図書館に関する伝統的な指標は大学の使命をうまく捉えていない[注:蔵書冊数などの入力指標よりも,利用者へのインパクトの測定が重要],③雑誌価格の高騰により出版モデルの見直し[注:オープンアクセスのこと]が求められている,④図書館の代替[注:Googleや Amazonのこと]が最速の成長と最も容易なアクセスを誇っている,⑤伝統的な図書館サービス[注:貸出やレファレンスなど]に対する需要が減少している,⑥利用者からの要求が予算や組織的な文化を押し広げている[注:印刷資料とデジタル資料のハイブリッドに起因する拡大],の 6 つが掲げられている。

一方,日本においては「2040 年に向けた高等教育のグランドデザイン(答申)」が 2018年 11 月に中央教育審議会から出され,それを受けて,大学の組織のひとつとしての図書館の在り方に関する議論が深まっている状況にある。その延長線上で 2021 年 7 月に公表された私立大学連盟の提言では,図書館等の設置・配備を規定した第 38 条の削除が明記され,図書館界に衝撃を与えたことは周知のとおりである。 私立大学連盟の提言に関する動きの中であらためて認識されたのは,日本図書館情報学会には,この問題に関するさまざまな立場でのステークホルダーが,学会員としてその中に含まれていることである。この点,学会活動として,日本における大学図書館のグランドデザインに関する情報を共有し,競合・対立する考え方を整理しておくことは重要であると思われる。つまり,このシンポジウムは,学会としての意見を集約する機会ではなく,参加者がそれぞれの立場に応じてこの問題を考える際の一助となるための場として開催するものである。


パネリスト(五十音順):
小山憲司氏(学会員・中央大学教授:「これからの学術情報システム構築検討委員会」委員長)
竹内比呂也氏(学会員・千葉大学教授:千葉大学副学長,附属図書館長,アカデミック・リンク・センター長)
野末俊比古氏(学会員・青山学院大学教授:青山学院大学図書館長,アカデミックライティングセンター長,変革技術と社会共創研究所副所長)

コーディネーター:
岸田和明(日本図書館情報学会・会長,慶應義塾大学教授)

司会:
三浦太郎(日本図書館情報学会・副会長,明治大学教授)

開催日時:
2022 年3 月5 日(土)14:00~16:00(終了時刻は予定) ※Zoom によるオンライン開催

参加費:無料