名古屋大学人文学研究科:聖徳太子1400年御遠忌記念シンポジウム「聖徳太子伝とその視覚化」(2021年3月21日(日)13:00~16:30、Zoomミーティング)※要申し込み
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●公式サイトはこちら
https://www.hum.nagoya-u.ac.jp/cht/activity/lecture-forum.html
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※申し込みは上記サイトをご確認ください。
【開催日時】2021年3月21日(日)13:00~16:30
【開催方法】Zoomミーティングによるオンライン開催。
【主催】仏教芸術学会・美術史学会(西支部大会)
基盤研究(A)「中世拠点寺院の蔵書と美術に基づく人と知のネットワーク解明」(研究代表者:近本謙介)
■プログラム
13:00 挨拶 根立研介(美術史学会西支部代表)
13:05 趣旨説明 藤岡穣(大阪大学)
13:10 報告1 榊原史子「古代における聖徳太子伝の生成」
13:45 報告2 三田覚之「聖徳太子信仰と太子伝の生成―造形作品の検討から―」
14:15 休憩
14:30 報告3 沖松健次郎「法隆寺献納宝物聖徳太子絵伝と平安時代の太子伝」
15:05 報告4 村松加奈子「「真宗系」・「南都系」聖徳太子絵伝の再検討
―静嘉堂文庫美術館本・妙安寺本を中心に―」
15:35 休憩
15:50 座談会「聖徳太子伝とその視覚化」
榊原史子・三田覚之・沖松健次郎・村松加奈子
司会:藤岡穣
16:30 閉会挨拶 藤岡穣(仏教芸術学会会長)
聖徳太子が推古天皇30年(622)に崩じてから間もなく1400年を迎えます。それに先立ち、2020
年には香雪美術館において聖徳太子をテーマとした展覧会が開催され、2021年には奈良国立博物
館、東京国立博物館、大阪市立美術館、サントリー美術館において関連の展覧会が開催され、各地
でさまざまな催しが企画されています。本シンポジウムはそうした時機にあたり、あらためて聖徳
太子信仰の美術に焦点をあてるものです。
聖徳太子は「十七条憲法」や「冠位十二階」など倭国の政治の地歩を築くとともに、蘇我氏とと
もに仏教の受容を推し進め、その後花開く仏教文化の礎を築き、後世には日本仏教の祖として仰が
れました。聖徳太子はその死にあたり等身の釈迦三尊や天寿国繡帳が作られ、『日本書紀』にまと
められた薨伝にはすでに聖人としての修飾がみられます。奈良時代になると、聖徳太子が生前に建
立に与ったとされる法隆寺や四天王寺において霊廟が建立され、その伝記を絵画化した絵伝も制作
されたと伝えられます。平安時代を迎えると、聖徳太子を観音の化身とする信仰が深まり、太子伝
の決定版とも言うべき『聖徳太子伝暦』が編纂されました。また、聖徳太子の肖像が絵画、彫刻と
して作られるようになります。さらに鎌倉時代には、各寺院や各宗派が聖徳太子を祖師として仰ぎ、
それにともなって新たな太子伝が作り出されていきました。そして、鎌倉末期には、聖徳太子の
800年御遠忌を契機として、絵伝や肖像の制作がまさにピークを迎えました。
本シンポジウムは、このような古代、中世における聖徳太子信仰の展開を踏まえ、美術史研究と
太子伝研究の双方の立場から、あらためて太子伝の生成と変奏、それに基づくイメージの形成につ
いて検討を試みるものです。また、本シンポジウムが日本美術における説話画や肖像についての研
究の一機縁となることを願っております。