俳文学会:第473回例会(2024年7月27日(土)14:30~17:00、江東区芭蕉記念館)

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研究会情報です。

●公式サイトはこちら

http://haibuntokyo.cside.com/prg/inf7.cgi
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※詳細は上記サイトをご確認ください。

●研究発表

連歌と「百人一首」 /松本 麻子氏

【要旨】
宗祇は『百人一首』の最初の注釈書『百人一首抄(宗祇抄)』を文明十年(一四七八)に著した。これは、東常縁の講釈を聞きまとめたもので、現在の研究では『百人一首』が広く読まれるきっかけを連歌師宗祇が作ったと考えられている。本発表では、連歌の実作の場で『百人一首』所収歌がどのように取り入れられているのか、また、連歌論などにはどういった記載がなされているかを確認しつつ、連歌と『百人一首』との関わりを検討したい。

●研究発表

「俳諧名賞頭絵」の検討―幕末期江戸俳壇を〝俯瞰〟する―  /伊藤 善隆氏

【要旨】
「俳諧名賞頭絵」とは、「大絵都」と称する架空の土地の俯瞰図(縦38.0㎝×横51.5㎝)である。そこには様々な名所(名賞)が描かれているが、じつは天保期から幕末期の江戸で活躍した俳諧宗匠、すなわち名匠(名賞)がそれぞれの名所に当て込まれている。注目すべきは、一九〇にも及ぶ、その「名賞」の数の多さである。当然ながら現代の人名辞典の類には立項されず、当時の人名録を見ても記載されない作者も多い。作者の「南海濤酔」については未詳。版元名や刊年の記載もなく、刊行の経緯なども不明であるが、当時の俳諧の盛行ぶりを想起させる興味深い資料である。