早稲田大学図書館企画展:住吉広行「春冬堂上放鷹之図」~下絵からよみがえる、朝鮮王朝への贈りもの~(2024年3月22日(金)~4月30日(火))

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展覧会情報です。

●公式サイトはこちら
https://www.waseda.jp/library/news/2024/02/29/20367/

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※詳細は上記サイトをご確認ください。


「春冬堂上放鷹之図」は江戸幕府が御用絵師の住吉広行(1755-1811年)に、第12回朝鮮通信使(1811年)への「贈朝屏風」として依頼した、春と冬の鷹狩を描いた屏風です。当館では春図の下絵を所蔵していますが、朝鮮王朝に贈られた完成品と、下絵の冬の図は失われています。

2017年10月に《朝鮮通信使に関する記録》がユネスコの「世界の記憶」に登録され、江戸幕府と朝鮮王朝との交流が注目されています。しかし12回にわたり贈られた約二百双の屏風と、絵師のもとに遺されたであろう下絵も多くが失われており、この春図下絵は朝鮮国へ贈るための背景や想いを知るうえで貴重な資料です。

本図は和紙をつなぎ合わせた大判の一枚紙であるため、実物では全体を細かく見ることが難しいうえに劣化の恐れもあります。そこで公開と保存の両立のため高精細スキャナーによる撮影を行いました。その画像からは完成図が想像できそうなほど色・材質の指示や修正の様子など事細かな書き込みが見られました。また宮内庁書陵部所蔵「御屏風之記」は、住吉広行による本屏風制作の記録であり、冬図の構成も記されています。

本展では春の時期に春図下絵を全面公開するとともに、高精細画像から得られた情報と制作当時の関連資料を照らし合わせ現代の手法で再現する試み、そして幕府と朝鮮王朝との外交などを紹介いたします。


◆入場無料。図書館入館資格のない方でもご覧いただけます。