国立国語研究所:令和4年度NINJAL日本語教師セミナー(国内)「スマホを使った日本語学習者の辞書検索を支援する ―世界の日本語学習者の辞書ツールの使用実態から―」(2023年3月9日(木)13:30~16:30、Zoom)※要申し込み

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研究会情報です。

●公式サイトはこちら



https://www.ninjal.ac.jp/events_jp/20230309a/

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※詳細は上記サイトをご確認ください。


開催期日
2023年3月9日 (木) 13:30~16:30
開催場所
Web開催 (Zoom)
主催
国立国語研究所
受講料
無料
定員
150名


スケジュール

13:30~13:40
趣旨説明

13:40~14:45
講演 「学習者のスマホによる辞書引きの特徴を知る」

14:45~15:00
休憩

15:00~16:20
ワークショップ 「学習者の辞書引き行動を探る」
(ブレイクアウトルーム使用)

16:20~16:30
まとめ

講演者

石黒 圭 (国立国語研究所 教授)
吉 甜 (国立国語研究所 プロジェクト非常勤研究員)
佐野 彩子 (国立国語研究所 プロジェクト非常勤研究員)


授業中にスマホをいじる日本語学習者を見るのは、もはや珍しいことではありません。スマホで言葉を検索しているようだと分かっていても、手元のスマホをちらちら見たり操作したりしながら授業を聞く姿に、いまだに違和感を拭えない先生も少なくないでしょう。

急速な IT 化とスマホの普及に伴い、従来の紙の辞書や電子辞書はほとんど使われなくなりました。日本語学習者が、インターネット上の様々な辞書やアプリ、検索エンジン等を使って言葉を調べるのが当たり前の時代です。しかし、一体、何をどのように調べているのか、またその結果、本当に必要な情報にたどり着けているのか、実際のところよくわかりません。そこで、こうした日本語学習者の検索行動の実態を知り、日本語教師による適切な支援の方法を考えることが喫緊の課題だと私たちは考えました。

国立国語研究所では、昨年度から今年度にかけて、日本語学習者の辞書使用にかんする世界的な実態調査*を行いました。海外大学 (中国、台湾、韓国、ベトナム、イギリス、ドイツ) および国内大学の協力を得て、100名を超える日本語学習者に語彙検索行動を1週間記録してもらい、検索する画面を録画したファイルを提供していただきました。

これらのデータから、日本語学習者が多様なツールを用いて、ユニークな方法で検索を行っているのが分かる一方、誤った検索をしてしまったり、検索目的が達成できないまま断念してしまったりしているケースが少なくないという実態が明らかになりつつあります。

本セミナーでは、これらのデータを実際にお見せしながら、学習者の検索行動に、地域や日本語レベルに応じてどのような特徴があるのかを見ていきます。その上で、学習者の検索行動をワークショップ形式で検討しながら、日本語教師がどのように関わり、支援していくのがよいのかをご一緒に考えます。

本セミナーを通して、日本語学習者の検索行動について理解を深めていただき、授業の準備、教室での活動、教材の作成等のヒントとしてお役立ていただければ幸いです。

* 本研究は科研費 (21K18375) および国立国語研究所機関拠点型基幹研究プロジェクト「学習者の辞書資源使用の実態調査」の研究成果の一部です。