国立ハンセン病資料館:企画展「ハンセン病文学の新生面『いのちの芽』の詩人たち」(2023年2月4日(土)~5月7日(日))【講演会「ハンセン病者と文学者はいかにハンセン病問題と関わったのか」西村峰龍 氏(静岡文化芸術大学非常勤講師)2023年2月25日(土)14:00~ ※要申し込み】

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展覧会・講演会情報です。

●公式サイトはこちら
https://www.nhdm.jp/events/list/4942/
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※詳細は上記サイトをご確認ください。


1953年、らい予防法闘争のさなか刊行された大江満雄編『いのちの芽』(三一書房)は、全国8つのハンセン病療養所から73人が参加する、初めての合同詩集でした。今年は詩集刊行から70年目にあたります。 療養所における文学活動は戦前から盛んで、北條民雄や明石海人らが知られていますが、療養所の「秩序維持」や個人の「自己修養」の枠内で許される場合がほとんどでした。

戦後の状況は、療養所の文学を一変させます。日本国憲法による基本的人権の尊重と、初の化学療法の治療薬であるプロミンの登場は、精神的にも肉体的にも入所者に大きな変化をもたらしました。自らの境遇を「宿命」とするのではなく、変革可能な未来ととらえる人たちがあらわれたのです。

隔離政策の不条理に直面しながらも外部社会に向けて希望・連帯・再生を希求する新たな文学の姿を、本展では「ハンセン病文学の新生面」としてとらえ直すことを目指します。
作品原稿はほぼすべて失われていますが、高知県立文学館所蔵の大江満雄宛書簡のなかから、本詩集参加者による自筆資料などをこのたび初公開します。

本展をきっかけに、戦後の療養所で生まれた詩の魅力に目をとめ、ハンセン病問題への理解を深めるきっかけとしていただけたら幸いです。


見どころ
当館が主催する初めての大規模な文学展です。
高知県立文学館所蔵の大江満雄宛書簡より、『いのちの芽』参加者の自筆書簡を初公開します。
幻となっていた詩集『いのちの芽』を70年ぶりに当館で復刊します。
多彩なゲストを迎えた関連イベントを開催します。


【会  期】
2023年2月4日(土)~5月7日(日)
【会  場】
国立ハンセン病資料館 企画展示室
【 休 館 日 】
月曜および「国民の祝日」の翌日(月曜が祝日の場合は開館)
入館無料

講演会「ハンセン病者と文学者はいかにハンセン病問題と関わったのか」

ハンセン病療養所入所者と外部の文学者の関係や、そのなかで生み出された作品の意義などを中心に、文学研究の視点から語っていただきます。

【日  時】 2023年2月25日(土) 14:00~15:30(13:30開場)
【講  師】 西村峰龍 静岡文化芸術大学非常勤講師
【会  場】 当館1階 映像ホール
【定  員】 先着70名、事前申し込み制、参加無料
※ライブ配信はありません。