南方熊楠顕彰会「連続講座 南方熊楠と生物の世界」【松居竜五・志村真幸・田村義也・土永知子】(2022年11月22/29/12月06日、千代田区・関西大学東京センター[教室A]聴講無料)

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講演会情報です。

●公式サイトはこちら
https://www.minakata.org/events/event/2022lecture/

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南方熊楠翁没後80周年事業
連続講座 南方熊楠と生物の世界

南方熊楠(1867-1941)は、人文・社会科学から自然科学までの幅広い分野を統合的にとらえることで、新たな学問のあり方を模索した学者である。その試みは、生態学と民俗学に基づく先駆的な自然保護運動である神社合祀反対運動に結びつくなど、現在でも多くの示唆を与えてくれる。本講演シリーズでは、その中核となる熊楠の生物に対する視線を、思想史などの人文・社会科学と生物学などの自然科学の双方の視点から多角的に分析する。

■主催:南方熊楠顕彰会 協力:関西大学
■聴講
無料 定員 各日30名(要申込・先着順)
■お問合せ・お申し込み
南方熊楠顕彰会事務局
TEL : 0739-26-9909
申込方法:0739-26-9909まで電話申込。
申込期間:10月12日(水)10時~11月15日(火) 17時
※定員に達し次第、受付を終了とさせていただきます。
※休館日 10月17日、24日、31日、11月4日、7日、14日

■会場
関西大学東京センター[教室A]
〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-7-12 サピアタワー9階
※サピアタワー3階のオフィスロビー総合受付で入館手続きをおこなった上で、9階にお上がりください。

[プログラム]

day.1 11.22 Tue
18:00~20:00 「虫のマンダラ――南方熊楠とユクスキュル」
松居竜五(南方熊楠顕彰館長、龍谷大学教授)

鶴見和子によって「南方マンダラ」と名付けられた熊楠の世界観(1903年7月18日付 土宜法龍宛書簡に見られる図)は、これまでさまざまな解釈がなされてきた。熊楠の テクストを注意深く読むと、これが人間だけでなく、あらゆる生命の視点から成り立つものであることが明らかである。ここでは、ドイツの生物学者ユクスキュルの呈示した「環世界」という概念を用いて、熊楠がこの図によって表そうとした思想の内容に迫る。

day.2 11.29 Tue
18:00~20:00 「熊楠と生物の絶滅ーオオカミを中心に」
志村真幸(慶應義塾大学非常勤講師)

エゾオオカミが1896年、ニホンオオカミが1905年に絶滅したことで、日本からオオカミはいなくなった。熊楠が長く過ごしたイギリスでも、18世紀には全土から姿を消している。動物の絶滅という問題は、19世紀末から強く意識されるようになった。オオカミの絶滅によって失われたものは何か。熊楠は生物の絶滅/保護について、どのように考えていたかに迫る。

day.3 12.06 Tue
18:00~20:00 「南方二書と紀伊半島の生態の現在」
田村義也(成城大学非常勤講師)

「南方二書」は、紀南の神社林と自然林の保護を訴えて南方熊楠が1911年に記した意見書である。高級官僚だった柳田国男により印刷配布された。この意見書執筆を軸に、南方の「神社合祀反対運動」とその時代背景を考えたい。

土永知子(南方熊楠顕彰館学術研究員)

2004年に熊野古道が「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産に登録されたのは、熊楠が神社合祀反対運動で社叢や神木を守ったからである。熊楠が体験した紀伊半島の森林の変化と現在のようす、森林の適切な活用をしつつ将来の世代へ引き継いでいく方法の模索を紹介する。

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