和紙文化研究会7月オンライン例会(2022年7月16日(土)13:30~15:30、Zoom)

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研究会情報です。

●公式サイトはこちら
https://bit.ly/3aiWtem
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※詳細は上記サイトをご確認ください。


◆ 7月オンライン例会

日 時:2022年7月16日(土) 13:30~15:30
会 場:Zoomによるオンライン配信のみ

13:30~14:30  宍倉ゼミ 和紙原料に使う植物 第1回
「三椏の研究」        宍倉佐敏 会員

14:40~15:40 「絵因果経の料紙」      増田勝彦 副会長

*13:00からZoomの会議室への接続ができます。
※プログラムや機材の関係で、時間が変わる可能性があります。予めご了承ください。


宍倉ゼミ 和紙原料に使う植物 第1回 「三椏の研究」
宍倉佐敏 会員

近年は繁殖している三椏を見ることが少なくなったが、かつては正月を過ぎると人工栽培や自然に生えた三椏の黄色いかわいい花を山間や近在でも見ることができた。
三椏は楮や雁皮に比べ和紙に使用されたのは遅いといわれるが、三椏はいつ頃から和紙用に、どこで栽培されていたのか、外来種と言われるがどこの国から伝来したのか、三椏の繊維は和紙原料としてどのような特徴を持ち、明治時代に紙幣に使われたいきさつなどを考察し、三椏紙の発展の様子を研究しましょう。

「絵因果経の料紙」   
増田勝彦 副会長

一人の和紙愛好家として、観察と推測を重ねて、奈良時代の紙漉き工人に考えをめぐらせました。
1.滲みから料紙を読む
2.奈良時代の麻紙- 絵因果経
3.墨の滲みが物語る奈良時代の紙漉工人
奈良時代の絵画遺品として有名な蓮台寺本過去現在絵因果経ですが、美術書に掲載されている奈良国立博物館所蔵分では、薄墨で描かれている樹木、岩、土坡の線に奇妙な滲みが見られます。
奇妙な滲み方から紙の製造方法、仕上げ方法までを推測しようとしました。
墨の滲み方については、本会会員である日野氏の発表があって、推測を重ねるヒントになりましたし、以前に試作した麻紙も、滲みの実験に役に立ちました。
そうした推測と実験を重ねたところ、納入期限までに時間が少なく念入りな仕事をしたくても出来ない状況だった紙漉き工人の様子まで想像した経緯をお話ししようとおもいます。